新型インスリン「トレシーバ(インスリン デグルデク)」の承認取得

2012.10.01
 ノボ ノルディスク ファーマは9月28日、糖尿病治療用の持効型溶解インスリン アナログ注射液「トレシーバ注 フレックスタッチ」、「トレシーバ注 ペンフィル」(一般名:インスリン デグルデク)の製造販売承認を厚生労働省より取得したと発表した。

 トレシーバはノボ ノルディスクが研究開発した次世代の持効型インスリン アナログ。1日1回の投与でより平坦で安定した血糖降下作用を示し、その効果は24時間を超えて持続する。海外試験で42時間超、日本人試験では26時間を超えて作用が持続することが確認されている。

 トレシーバの有効成分であるインスリン デグルデクは、製剤中では単量体が結合したヘキサマー(六量体)の複合体として安定した状態にある。皮下投与後に多数の六量体が結合した複合体(マルチヘキサマー)となり、長く鎖のようにつながった状態になる。マルチヘキサマーはそのままでは血管壁を通過しない。

 マルチヘキサマーの端からインスリン モノマー(単量体)が徐々に解離し、ゆっくりかつ持続的に血中へ移行することで、きわめて長い作用の持続化を実現している。

 トレシーバについては、全世界で日本人を含む約1万人が参加した大規模臨床試験が行われた。1型および2型糖尿病患者を対象とした臨床試験で、対照薬であるインスリン グラルギンと同程度のHbA1c低下を達成し、夜間低血糖発現頻度を有意に低下させた。

 同社では「トレシーバは患者さんの低血糖、特に夜間低血糖リスクを高めずに、良好な血糖コントロールの達成をサポートします」と述べている。

 トレシーバは、注入ボタンが伸びず軽くて押しやすくした新しいプレフィルド型ペン型注入器「フレックスタッチ」を使用し投与できる。専用のインスリンペン型注入器を使って投与するカートリッジ製剤(ペンフィル)もある。

製品名トレシーバ注 フレックスタッチ
(英文表記:TRESIBA FlexTouch)
トレシーバ注 ペンフィル
(英文表記:TRESIBA Penfill)
一般名インスリン デグルデク(遺伝子組換え)
効能・効果インスリン療法が適応となる糖尿病
用法・用量 通常、成人では、初期は1日1回4~20単位を皮下注射する。注射時刻は毎日一定とする。投与量は患者の症状及び検査所見に応じて適宜増減する。他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。 通常、成人では、初期は1日1回4~20単位を専用のインスリンペン型注入器を用いて皮下注射する。注射時刻は毎日一定とする。投与量は患者の症状及び検査所見に応じて適宜増減する。他のインスリン製剤を併用することがあるが、他のインスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位である。但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。

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