超持効型溶解インスリンアナログ「デグルデク」 夜間低血糖の発現率を低下

2011.07.12
 開発中の超持効型溶解インスリンアナログ「インスリン デグルデク」は、グラルギンと比較して、有意に低血糖の発現率を低下させ、血糖値を低下させるというデータが、米国サンディエゴで6月に開催された第71回米国糖尿病協会(ADA)年次学術集会で発表された。

 インスリン デグルデクは、ノボ ノルディスクが開発中の超持効型溶解インスリンアナログ。平坦で安定した薬力学的作用と薬物動態を示し、作用は投与後24時間以上持続する。

 今回発表されたのは1型糖尿病と2型糖尿病患者を対象とした2つの52週の第3相試験の結果。1型と2型糖尿病患者のベーサルボーラス療法において、デグルデクはHbA1cの改善を示し、グラルギンに対して非劣性であることが示された。

 12ヵ国992人の2型糖尿病患者を対象とした52週の試験では、デグルデクまたはグラルギンに超速効型インスリン アスパルトを食事時に併用しベーサルボーラス療法を行った。

 HbA1cは両群で同程度の1.2%低下し、試験終了時に7.1%となり、デグルデクがグラルギンに対し非劣性であることが示された。空腹時血糖値はデグルデク群で43mg/dL低下し、グラルギン群で38mg/dL低下した。

 全般的な低血糖イベントの発現頻度はグラルギン群に比べ有意に低かった。デグルデク群ではグラルギン群と比較し、低血糖の発現は18%低下し、夜間低血糖は25%低下した。

 6ヵ国629人の1型糖尿病患者を対象に行われた、アスパルトを食事時インスリンとして用いたベーサルボーラス療法におけるデグルデクとグラルギンの1日1回投与の有効性と安全性を比較した52週の試験でも、HbA1cは両群ともに約0.4%低下し試験終了時に7.3%になり、デグルデクが非劣性であることが示された。

 1型糖尿病において全体的な低血糖の発現率は同様だったが、デグルデク群では夜間低血糖の発現率はグラルギン群に比べて25%低かった。

 また、2型糖尿病患者において、デグルデクの投与は日によって異なるタイミングで行うことも可能であるというデータが示された。試験では、デグルデクの投与時間を日によって変えても(最長40時間の投与間隔)、グラルギンと比べて、全般的な血糖コントロールや低血糖の発現率に影響がなかったことが示された。平均空腹時血糖値はデグルデク群で104mg/dLで、グラルギン群の112mg/dLに対し有意に低かった。

ノボ ノルディスク ファーマ

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