高血圧・糖尿病・脂質異常症の通院者率が上昇 糖尿病は男性傷病別で2位 国民生活基礎調査
高血圧・糖尿病・脂質異常症の通院者率が上昇
傷病で通院している人(通院者)は、人口千人当たり417.3で、2019年調査の404.0から上昇した。年齢層別では高齢者層ほど高くなり、80歳以上では727.6という結果になった。性別をみると男性は401.9であるのに対して女性は431.6となっている。
傷病別の上位をみると、男性では(1) 高血圧症(146.7)、(2) 糖尿病(70.8)、(3) 脂質異常症(53.7)、女性では(1) 高血圧症(135.7)、(2) 脂質異常症(77.2)、(3) 目の病気(65.4)が多い。
要介護の原因トップ3は「認知症」「脳卒中」「骨折・転倒」
介護が必要になった原因疾患(総数)の上位は、(1) 認知症(16.6%)、(2) 脳血管疾患(脳卒中)(16.1%)、(2) 骨折・転倒(13.9%)だった。
要介護度別にみると、「要支援者」では「関節疾患」(19.3%)、「高齢による衰弱」(17.4%)、「骨折・転倒」(16.1%)が多い。「要介護者」では「認知症」(23.6%)、「脳血管疾患(脳卒中)」(19.0%)「骨折・転倒」(13.0%)が多い。
症状別の有訴者率は男女ともに「腰痛」がトップ
病気や怪我などで自覚症状のある人(有訴者)は、人口千人あたり276.5であり、2019年調査の302.5から低下した。年齢層別では高齢者層ほど高くなり、80歳以上では492.7になった。また、男性は246.7であるのに対して、女性は304.2と高い。
性別にみた有訴者率の高い症状は、男性は(1) 腰痛、(2) 肩こり、(3) 頻尿、女性は(1) 腰痛、(2) 肩こり、(3) 手足の関節の痛みとなった。
半数はがん検診を受診していない
過去1年間に、「胃がん」「肺がん」「大腸がん」の各がん検診を受診した人の割合を性別にみると、男女ともに肺がん検診がもっとも高く、男性53.2%、女性46.4%に上ったが、がん検診の受診率の目標である60%にとどいていない。
過去2年間で胃がん検診を受診した割合は、男性53.7%、女性43.5%。女性の子宮がん(子宮頸がん)検診を受診した割合は43.6%、乳がん検診は47.4%だった。
喫煙者率が減少 60歳代男性では3割近く
喫煙の状況を性・年齢階級別に2001年と比較すると、喫煙者率はほとんどの年齢階級で減り、とくに男性は半減に近く、また男女ともに20~29歳という若年層で減少が著しい。ただし、60歳代男性では喫煙者率27.3%と、3割近くがまだ喫煙をしている。
2022年「国民生活基礎調査」では、約30万世帯を対象に6月に世帯票・健康票が、約7,000人を対象に介護票が、約3万世帯を対象に7月に所得票・貯蓄票が調査された。世帯票・健康票は約20万4,000世帯、介護票は約5,000人、所得票・貯蓄票は約1万9,000世帯が集計された。