販売名 | 製品画像 | 薬価 |
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イニシンク配合錠 |
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129.90 |
選択的DPP-4阻害薬/ビグアナイド系薬配合剤
-2型糖尿病治療剤-
アログリプチン安息香酸塩/メトホルミン塩酸塩配合錠
帝人ファーマ株式会社
武田薬品工業株式会社
2型糖尿病
ただし、アログリプチン安息香酸塩及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。
通常、成人には1日1回1錠(アログリプチン/メトホルミン塩酸塩として25mg/500mg)を食直前又は食後に経口投与する。
【警告】
1.メトホルミンにより重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあり、死亡に至った例も報告されている。乳酸アシドーシスを起こしやすい患者には投与しないこと。[2.1 参照],[2.3 参照],[8.1 参照],[9.2 参照],[9.3 参照],[11.1.1 参照]
2.腎機能障害又は肝機能障害のある患者、高齢者に投与する場合には、定期的に腎機能や肝機能を確認するなど慎重に投与すること。特に75歳以上の高齢者では、本剤投与の適否を慎重に判断すること。
[8.1 参照],[9.2 参照],[9.3 参照],[9.8 参照],[11.1.1 参照]
【禁忌】(次の患者には投与しないこと)
1.次に示す患者[メトホルミンにより乳酸アシドーシスを起こしやすい。][1.1 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照] 乳酸アシドーシスの既往のある患者
重度の腎機能障害(eGFR 30mL/min/1.73m2未満)のある患者又は透析患者(腹膜透析を含む)[9.2.1 参照]
重度の肝機能障害のある患者[9.3.1 参照]
心血管系、肺機能に高度の障害(ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓等)のある患者及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態にある患者[嫌気的解糖の亢進により乳酸産生が増加する。]
脱水症の患者又は脱水状態が懸念される患者(下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者、経口摂取が困難な患者等)
過度のアルコール摂取者[肝臓における乳酸の代謝能が低下する。また、脱水状態を来すことがある。][10.1 参照]
2.重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]
3.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。また、メトホルミンにより乳酸アシドーシスを起こしやすい。][1.1 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]
4.栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者[低血糖を起こすおそれがある。][11.1.2 参照]
5.妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
6.本剤の各成分又はビグアナイド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
室温保存
3年
劇薬
処方箋医薬品 注)
注) 注意―医師等の処方箋により使用すること
2016年11月
2型糖尿病
ただし、アログリプチン安息香酸塩及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。
通常、成人には1日1回1錠(アログリプチン/メトホルミン塩酸塩として25mg/500mg)を食直前又は食後に経口投与する。
メトホルミンにより乳酸アシドーシスを起こすおそれがある。[8.1 参照],[11.1.1 参照]
アログリプチンにより腸閉塞を起こすおそれがある。[11.1.7 参照]
腎臓における排泄が減少しメトホルミンの血中濃度が上昇するため、乳酸アシドーシス等の発現リスクが高くなる可能性がある。また、アログリプチンの血中濃度が上昇する。[1.1 参照],[1.2 参照],[9.8 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照]
投与しないこと。[2.1 参照]
本剤を使用せず、各単剤の併用を検討すること。[5.4 参照],[8.1 参照]
[8.1 参照]
肝臓における乳酸の代謝能が低下し、乳酸アシドーシスの発現リスクが高くなる可能性がある。[1.1 参照],[1.2 参照],[9.8 参照],[11.1.1 参照]
投与しないこと。[2.1 参照]
[8.1 参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。メトホルミンでは、動物試験(ラット、ウサギ)で胎児への移行が認められており、一部の動物試験(ラット)で催奇形作用が報告されている2)。また、妊婦は乳酸アシドーシスを起こしやすい。アログリプチンでは、動物試験(ラット)において、胎盤通過が報告されている。[2.5 参照],[11.1.1 参照]
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。メトホルミン及びアログリプチンでは、動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
高齢者では、腎機能、肝機能等が低下していることが多く、また脱水症状を起こしやすい。これらの状態では乳酸アシドーシスを起こしやすいので、以下の点に注意すること。[1.2 参照],[8.1 参照],[9.2 参照],[9.3 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照],[16.6.2 参照],[16.6.3 参照]
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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アルコール(過度の摂取) |
乳酸アシドーシスを起こすことがある。本剤投与中は過度のアルコール摂取(飲酒) を避けること。 |
肝臓における乳酸の代謝能が低下する。また、脱水状態を来すことがある。 |
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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ヨード造影剤 |
乳酸アシドーシスを起こすことがある。ヨード造影剤を用いて検査を行う場合には、本剤の投与を一時的に中止すること。 |
腎機能が低下し、メトホルミンの排泄が低下することが考えられている。 |
腎毒性の強い抗生物質
[11.1.1 参照] |
乳酸アシドーシスを起こすことがある。併用する場合は本剤の投与を一時的に減量・中止するなど適切な処置を行うこと。 |
腎機能が低下し、メトホルミンの排泄が低下することが考えられている。 |
利尿作用を有する薬剤
[8.2 参照],[11.1.1 参照] |
脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。脱水症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。 |
利尿作用を有する薬剤により、体液量が減少し脱水状態になることがある。 |
糖尿病用薬
[8.3 参照],[11.1.2 参照] |
低血糖症状を発現するおそれがある。特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること。 |
血糖降下作用が増強され、低血糖のリスクが増加するおそれがある。 |
血糖降下作用を増強する薬剤
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血糖降下作用の増強によりさらに血糖が低下するおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 |
血糖降下作用が増強されるおそれがある。 |
血糖降下作用を減弱する薬剤
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血糖降下作用の減弱により血糖が上昇するおそれがあるので、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 |
血糖降下作用が減弱されるおそれがある。 |
*OCT2、MATE1、又はMATE2-Kを阻害する薬剤
[16.7.2 参照] |
メトホルミンの血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。観察を十分に行い、必要に応じて本剤を減量するなど慎重に投与すること。 |
*OCT2、MATE1、又はMATE2-Kを介したメトホルミンの腎排泄が阻害されると考えられている。 |
ジゴキシン |
アナグリプチンとの併用によりジゴキシンの血漿中濃度がわずかに増加したとの報告がある。適切な観察を行うこと。 |
機序不明 |
*イメグリミン [8.8 参照] |
*消化器症状の発現に注意すること。 |
*特に併用初期に多く発現する傾向が認められている。 |
血中乳酸値の上昇、乳酸/ピルビン酸比の上昇、血液pHの低下等を示す。予後不良のことが多い。一般的に発現する臨床症状は様々であるが、胃腸症状、倦怠感、筋肉痛、過呼吸等の症状がみられることが多く、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、必要な検査を行うこと。なお、乳酸アシドーシスの疑いが大きい場合には、乳酸の測定結果等を待つことなく適切な処置を行うこと。[1.1 参照],[1.2 参照],[2.1 参照],[2.3 参照],[5.4 参照],[8.1 参照],[9.1.2 参照],[9.2 参照],[9.3 参照],[9.5 参照],[9.8 参照],[10.1 参照],[10.2 参照],[11.2 参照],[13.1 参照],[13.2.1 参照]
低血糖があらわれることがある。DPP-4阻害剤で、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。低血糖症状(初期症状:脱力感、高度の空腹感、発汗等)が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取させるなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤の併用時はブドウ糖を投与すること。[2.4 参照],[8.2 参照],[8.5 参照],[9.1.1 参照],[10.2 参照],[17.1 参照]
持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3 参照]
AST、ALT、AL-P等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.3 参照]
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
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消化器注1) |
下痢 |
便秘、腹部不快感、消化不良、血中アミラーゼ上昇 |
胃炎、腹部膨満、腹痛、悪心・嘔吐、腸炎、鼓腸、消化性潰瘍、胃食道逆流性疾患、食欲不振、胃腸障害 |
過敏症 |
発疹、そう痒 |
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肝臓 |
ALT上昇、AST上昇 |
γ-GTP上昇、肝機能異常 |
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腎臓 |
BUN上昇、血中クレアチニン上昇、腎嚢胞 |
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代謝異常 |
乳酸上昇、血中尿酸上昇 |
血中カリウム上昇、ケトーシス |
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精神神経系 |
めまい・ふらつき、眠気、味覚異常、頭重、頭痛 |
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血液 |
貧血、白血球数増加、好酸球数増加、白血球数減少、血小板数減少 |
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その他 |
便潜血陽性、鼻咽頭炎、浮腫、CK上昇、尿中血陽性、蜂巣炎、倦怠感注1)、空腹感、動悸、脱力感、発汗、ビタミンB12減少注2)、筋肉痛注1) |
本剤とオルメサルタン メドキソミル製剤等との一包化は避けること。一包化して高温高湿度条件下にて保存した場合、本剤が変色することがある。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
(更新確認日:2025年8月29日)
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