Diabetic kidney disease(DKD)は本当に必要な用語なのか?
2018.10.17
1) Diabetic kidney disease(DKD)とは
糖尿病患者に合併する腎障害のすべてが糖尿病性腎症(以下腎症)ではないことは明らかです。しかし、腎症の確実な診断は腎生検しかなく、それが糖尿病における腎障害の考え方を複雑にしています。近年、腎症を含めた糖尿病の病態が関与する腎合併症をDiabetic kidney disease(DKD)と総称することが提唱されました。欧米ではChronic kidney disease(CKD) due to diabetes or diabetic nephropathyとされ、日本名は、「糖尿病性腎臓病」と称します。糖尿病患者に伴うCKDのうち病理診断では確定していないが、糖尿病がその発症に関与していると考えられる症例をさします。古典的(典型的)な腎症を含めたもっと広い概念で、糖尿病でありつつ腎障害をもつ人たちを包括的に捉えようという用語です。