子宮内膜症の女性で2型糖尿病リスク46%上昇――大規模コホートで確認

2026.08.31
子宮内膜症の女性では、2型糖尿病の発症リスクが、子宮内膜症のない女性と比べて46%高いことが示された。米ユタ州の大規模な人口ベースコホート研究で明らかになったもので、子宮内膜症のサブタイプや閉経状況、BMIによって関連の強さに違いがみられた。米ジョージ・メイソン大学のMaggie Fuzak Nunziato氏らが実施した研究で、詳細は「Diabetologia」に8月6日付で掲載された。

 子宮内膜症は、子宮内膜に類似した組織が子宮外に生じる慢性の婦人科疾患である。病変の部位や症状には多様性があり、炎症反応などの全身的な影響が病型によって異なる可能性がある。炎症は2型糖尿病の発症にも関与することから、子宮内膜症と2型糖尿病との関連が考えられるが、これまでの大規模研究では明確な関連は示されていなかった。このような背景から研究グループは、子宮内膜症のサブタイプや妊娠糖尿病の既往などにも着目し、2型糖尿病発症との関連を検討した。

 研究では、ユタ州の人口データベース(Utah Population Database)を用い、1996~2021年に登録された出生時に女性とされた約294万人を対象とした。子宮内膜症はICD-9/10コードを用いて特定し、子宮内膜症の有無やサブタイプを時間の経過に伴って変化する要因として扱った。2型糖尿病の新規発症もICDコードから特定し、子宮内膜症の有無との関連をCox比例ハザードモデルで解析した。さらに、閉経状況、BMI、妊娠糖尿病の既往によって関連の強さが異なるかを検討した。

 平均10.8年間の追跡期間中、9万9,978人が子宮内膜症と診断された。子宮内膜症のある女性では、ない女性と比べて2型糖尿病の発症リスクが46%高かった(調整ハザード比〔aHR〕1.46、95%信頼区間〔CI〕1.43~1.50)。子宮内膜症のサブタイプ別にみても、表在性子宮内膜症(aHR 1.67、95%CI 1.61~1.74)、卵巣子宮内膜症(aHR 1.61、95%CI 1.53~1.69)、深部子宮内膜症(aHR 1.45、95%CI 1.24~1.69)など、いずれも2型糖尿病リスクの上昇と関連した。特に「その他の部位」の子宮内膜症では関連が強く、部位が特定されている場合はaHR2.67(95%CI 2.51~2.84)、部位不明の場合はaHR2.47(95%CI 2.35~2.60)だった。

 また、関連は閉経後女性より閉経前女性(aHR 1.55、95%CI 1.50~1.60)で、BMI 30kg/m2以上の女性よりBMI 30kg/m2未満の女性(aHR 2.39、95%CI 2.34~2.44)で強かった。妊娠糖尿病の既往の有無で解析したところ、いずれの場合も子宮内膜症のある女性で2型糖尿病のリスク上昇が認められた。さらに、診断の遅れなどを考慮した感度分析でも、子宮内膜症と2型糖尿病との関連は概ね維持された。

 著者らは、子宮内膜症は2型糖尿病のリスク上昇と関連し、その関連の強さは子宮内膜症のサブタイプや代謝状態によって異なると指摘している。また、2型糖尿病のベースラインリスクが比較的低いと考えられる集団で関連が強かったとした。一方、残余交絡や検出バイアスの可能性があるため、結果の解釈には注意が必要としている。

[HealthDay News 2026年8月13日]

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