米国でセマグルチドを含むとする配合剤の排除に向けた動き 虚偽の広告や違法販売に対策
GLP-1受容体作動薬であるセマグルチドは、FDAにより、血糖降下および心血管疾患のリスク抑制目的で使用可能な注射剤のオゼンピック、経口血糖降下薬のリベルサス、肥満に伴う合併症のある場合の減量目的で使用可能な注射剤のウゴービという3剤が承認されている。これらのうちオゼンピックとウゴービは昨年から品薄状態が続いており、独自に調剤したセマグルチドを含むとする製品が出回っている。5月31日にはFDAが、それら代替製品使用による有害事象が報告されているとする警告を発出。「承認された薬剤を入手可能な場合は、配合剤を使用すべきではない」と患者に対して注意喚起していた。
FDAの警告は、「医薬品が不足している場合、米国連邦食品・医薬品・化粧品法の要件を満たすことを条件に、その医薬品の配合剤を調製できることがある」とした上で、「そのような製剤はFDAの審査の対象外であるため、承認されたものとは異なる成分、例えばセマグルチドナトリウムや酢酸セマグルチドなどの塩形態の原薬が使用されている可能性がある」と記されている。
ノボノルディスク社は、それらの製剤について、「違法なマーケティングおよび販売慣行は、消費者の混乱を招く行為であり、さらに潜在的な安全上の懸念を引き起こしている」と表明。「配合剤にはFDAが承認した医薬品と安全性、品質、有効性が同等であるとの保証がなく、患者を健康リスクにさらす可能性がある。当社は、自社製品ではないセマグルチドを含むと主張する製品の安全性や有効性を検証することができない。米国においてセマグルチドを含むFDA承認製品を製造している企業は当社のみであり、セマグルチドのジェネリックは現在存在しない」としている。
同社の純正品と配合剤の見分け方については、パッケージデザインの違いのほかに、純正品は注入器(ペン)の用量設定を変更しても全体の長さが変わらず、承認されている用量以外の設定はできないが、純正品以外ではそれらができることが多いという。また、パッケージが開封された形跡が分かるようになっていなかったり、パッケージに印刷されている情報とペン本体に書かれている内容が一致していなかったり、スペルミスが見られるケースもあるとのことだ。
[HealthDay News 2023年6月21日]
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