⽇本医学会連合が「オンライン診療の初診に関する提⾔」を公表 現在のオンライン診療には対⾯診療に比べ技術的な限界がある

2021.06.03
 ⽇本医学会連合のオンライン診療検討ワーキンググループが、「オンライン診療の初診に関する提⾔」をまとめ公表した。
 「オンライン診療の初診に適さない症状」および「オンライン診療の初診での投与について⼗分な検討が必要な薬剤」を提示している。
 「問診と画⾯越しの動画のみで診断を確定することのできる疾患はほとんどない」として、「オンライン診療に習熟した医師が、対⾯診療に切り替えることが可能な地理的・時間的状況で初診を⾏うにあたっては、現在のオンライン診療の限界を患者に⼗分理解させた上で、その受診の容易さを利点として活⽤することが適切」と強調している。
 厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」では、初診からのオンライン診療の解禁に向けた議論が進んでおり、今後は日本医学会連合提言もふまえて具体的に検討していくとしている。
一般社団法人 日本医学会連合

問診と動画のみで診断確定できる疾患はほとんどない

 ⽇本医学会連合のオンライン診療検討working group(委員⻑:南学正⾂、担当副会⻑:⾨脇孝)は6⽉1⽇、「オンライン診療の初診に関する提⾔」をまとめ公表した。

 オンライン診療とは「遠隔医療のうち、医師−患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察および診断を⾏い、診断結果の伝達や処⽅などの診療⾏為を、リアルタイムにより⾏う⾏為」としている。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、オンライン診療のニーズが高まっている。オンライン診療の応⽤は海外では⾶躍的に進んでいるが、⽇本は⼤幅に遅れをとっている。

 ⽇本医学会連合では、「オンラインで診療⾏為を⾏うことはすでに世界の常識」として、「しかし、不適切に遠隔医療が⾏われ、患者さんや家族に不利益が起こるようなことはあってはならない」と強調している。

 「問診と画⾯越しの動画のみで診断を確定することのできる疾患はほとんどない」として、「オンライン診療に習熟した医師が、対⾯診療に切り替えることが可能な地理的・時間的状況で初診を⾏うにあたっては、現在のオンライン診療の限界を患者に⼗分理解させた上で、その受診の容易さを利点として活⽤することが適切」と強調している。

オンライン診療を⾏う医師の多くがかかりつけ医となり、専⾨外の症状を診療する場合も

 提言では、(1)オンライン診療の初診に適さない症状(医師⽤)、(2)オンライン診療の初診に適さない症状(患者・予約受付応対⽤)、(3)オンライン診療の初診での投与について⼗分な検討が必要な薬剤の3項目に分けて説明している。

 このうち「内科系の症状」では、緊急性により初診からのオンライン診療に適さない状態として、(1)呼吸器系、(2)循環器系、(3)消化器系、(4)腎尿路系、(5)その他に分け、重症化のリスク因⼦を挙げながら解説。

 さらに、「神経系」「外科系」「泌尿器系」「産科婦⼈科系」「⽿⿐咽喉科系」「眼科系」「⽪膚科系」「整形外科系」「⼩児科系」「精神系」「⻭科、⼝腔外科系」のそれぞれの症状についても具体的に示している。

 「今後、オンライン診療を⾏う医師の多くがかかりつけ医となり、専⾨外の症状を診療する場合も想定される。⼀⽅、"専⾨外の医師がどこまで初診を担当して良いか"という議論は、オンライン診療特有の問題ではなく、対⾯診療でも当てはまる問題であり、オンラインか対⾯かの判断は、"緊急性"および"対⾯による情報量あるいは対応の違い"の観点からすべきものである」と指摘している。

 オンライン診療の初診に適さない症状(患者および予約受付応対⽤)については、「初診からのオンライン診療は、かかりつけの医師が、背景の分かっている患者さんに対して⾏うことが原則です」「初診からのオンライン診療は、オンライン診療に習熟した医師が、対⾯診療に切り替えることが可能な状況(地理的、時間的にも)で⾏うことが適切です」と注意を促している。

一般社団法人 日本医学会連合
[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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