【新型コロナ】頭痛もちの人はファイザーのワクチン接種後に頭痛が生じやすい 片頭痛69.2%、片頭痛以外71.4%
慶應義塾大学は、同大学病院の看護系職員の新型コロナのワクチン接種後の頭痛の特徴や頻度を調査し、ふだんから頭痛もちの人では、ワクチン接種後に副反応として頭痛が生じやすいことを明らかにした。
頭痛をもっている人はワクチン接種後にとくに頭痛が生じやすい
慶應義塾大学は、ファイザー社製新型コロナワクチン(BNT162b2、Comirnaty)について、同大学病院で接種を受けた看護系職員を、健常者、片頭痛を有する者、それ以外の頭痛を有する者の3群に分類し、ワクチン接種後に生じる頭痛の頻度や特徴について調査した。研究への参加に同意を得られ、ワクチンを2回接種し有効な回答が得られた171名について解析。
その結果、ふだんから片頭痛、片頭痛以外の慢性頭痛がある人では、健常者と比較して、ワクチン接種後に頭痛が生じやすいことが明らかになった。ワクチン接種後に頭痛が生じた比率は、健常者37.9%に対し、片頭痛69.2%、片頭痛以外の頭痛71.4%だった。
(*:adjusted p<0.05、***:adjusted p<0.001、###:p<0.001)
また、2回目の接種時の方が1回目の接種時よりも頭痛が生じやすいことも分かった。1回目20.5%に対し、2回目45.6%という結果になった。
全体で、ワクチン接種後に頭痛が発症するまでの時間の中央値は、1回目では10時間後、2回目では12時間後だった。頭痛の持続時間の中央値は1回目では4.5時間、2回目では8時間だった。
なお、片頭痛は20~40代の女性に多く、一般的には片側性、拍動性(脈打つような性状)の頭痛とされているが、そうではない場合もある。3割の患者では閃輝暗点といった視野の症状が頭痛に先行する。光に対して敏感になったり、吐き気をともなうこともある。日常生活に支障をきたすことが多い頭痛とされている。
今回の研究の対象としては若年女性が多かった(女性の割合が94%、年齢の中央値31歳)。「この結果をただちに一般人口に当てはめることは難しいかもしれませんが、ふだんから頭痛をもっている人は、そうでない人と比較してワクチン接種後に頭痛が生じやすい可能性があるため、接種の際には注意が必要と考えられます」と、研究者は述べている。
研究は、慶應義塾大学医学部内科学(神経)教室の滝沢翼専任講師、関口耕史助教、中原仁教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Cephalalgia」にオンライン掲載された。
慶應義塾大学医学部内科学教室(神経)
Incidence of headache after COVID-19 vaccination in patients with history of headache: A cross-sectional study(Cephalalgia 2021年8月18日)