セマグルチド週1回皮下投与の腎アウトカムFLOW試験を早期終了 有効性に関連した中間解析にもとづき ノボ
CKDを有する2型糖尿病の成人を対象にセマグルチドによる腎機能障害の進行予防などを検証
ノボ ノルディスクは、腎アウトカム試験であり、慢性腎臓病を有する2型糖尿病患者を対象とした腎障害の進行に対するGLP-1受容体作動薬セマグルチドの効果をプラセボと比較した試験であるFLOW試験の早期終了を決定したと発表した。
中間解析による早期終了の決定にもとづき、試験終了プロセスが開始されるが、試験の完全性を担保するため、同社は試験完了まで結果の盲検化を維持するとしている。2024年上半期中にFLOW試験結果が得られると見込んでいる。
FLOW試験は、慢性腎疾患(CKD)を有する2型糖尿病の成人を対象に、腎機能障害の進行予防、腎死および心血管系疾患による死亡リスク低下に関して、標準治療の補助療法として追加したセマグルチド1.0mgとプラセボを比較する、無作為割り付け、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験。
同試験は2019年に開始され、28ヵ国、400以上の治験実施施設で3,534人が試験に組み入れられている。主要目的は、以下の5つの要素からなる複合主要評価項目にもとづき、CKDの進行を遅延させ、腎死および心血管死のリスクを低下させることを検証すること。
慢性腎臓病を有する2型糖尿病の成人における、▼eGFR1のベースラインからの持続的な50%以上の低下の発現、▼持続的なeGFR1(CKD-EPI2)15mL/min/1.73㎡未満の発現、▼慢性腎代替療法(透析または腎移植)の開始、▼腎死、▼心血管死。
主な副次評価項目には、eGFR1(CKD-EPI2)の年換算の変化率、MACE(非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管死)からなる複合エンドポイントの最初の発現までの時間、およびあらゆる原因による死亡までの時間が含まれる。
同試験の治験実施計画書では、事前に規定した数の主要評価項目イベントが発生した時点で中間解析を行うこととしている。
なお、週1回皮下投与のセマグルチド(遺伝子組換え)は、Ozempicの販売名で0.5mg、1.0mg、2.0mgの用量で承認されており、2型糖尿病の成人における血糖コントロール改善のための食事および運動療法の補助療法として、また2型糖尿病および心血管系疾患の既往を有する成人における主要な心血管系イベントのリスク低減を適応症としている。
なお、海外で承認されているOzempicの適応症は、日本で承認を得ているオゼンピック皮下注の用法・用量および適応症とは異なる。