セマグルチド週1回皮下投与の腎アウトカムFLOW試験を早期終了 有効性に関連した中間解析にもとづき ノボ

2023.10.17
 ノボ ノルディスクは、腎アウトカム試験であり、慢性腎臓病を有する2型糖尿病患者を対象とした腎障害の進行に対するGLP-1受容体作動薬セマグルチドの効果をプラセボと比較した試験であるFLOW試験の早期終了を決定したと発表した。

 この決定は、中間解析の結果が有効性に関して、早期に試験を終了するための事前に規定された一定の基準を満たしたとの結論によるもので、第三者のデータモニタリング委員会(DMC)からの勧告にもとづくもの。

CKDを有する2型糖尿病の成人を対象にセマグルチドによる腎機能障害の進行予防などを検証

 ノボ ノルディスクは、腎アウトカム試験であり、慢性腎臓病を有する2型糖尿病患者を対象とした腎障害の進行に対するGLP-1受容体作動薬セマグルチドの効果をプラセボと比較した試験であるFLOW試験の早期終了を決定したと発表した。

 中間解析による早期終了の決定にもとづき、試験終了プロセスが開始されるが、試験の完全性を担保するため、同社は試験完了まで結果の盲検化を維持するとしている。2024年上半期中にFLOW試験結果が得られると見込んでいる。

 FLOW試験は、慢性腎疾患(CKD)を有する2型糖尿病の成人を対象に、腎機能障害の進行予防、腎死および心血管系疾患による死亡リスク低下に関して、標準治療の補助療法として追加したセマグルチド1.0mgとプラセボを比較する、無作為割り付け、二重盲検、並行群間、プラセボ対照試験。

 同試験は2019年に開始され、28ヵ国、400以上の治験実施施設で3,534人が試験に組み入れられている。主要目的は、以下の5つの要素からなる複合主要評価項目にもとづき、CKDの進行を遅延させ、腎死および心血管死のリスクを低下させることを検証すること。

 慢性腎臓病を有する2型糖尿病の成人における、▼eGFR1のベースラインからの持続的な50%以上の低下の発現、▼持続的なeGFR1(CKD-EPI2)15mL/min/1.73㎡未満の発現、▼慢性腎代替療法(透析または腎移植)の開始、▼腎死、▼心血管死。

 主な副次評価項目には、eGFR1(CKD-EPI2)の年換算の変化率、MACE(非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心血管死)からなる複合エンドポイントの最初の発現までの時間、およびあらゆる原因による死亡までの時間が含まれる。

 同試験の治験実施計画書では、事前に規定した数の主要評価項目イベントが発生した時点で中間解析を行うこととしている。

 なお、週1回皮下投与のセマグルチド(遺伝子組換え)は、Ozempicの販売名で0.5mg、1.0mg、2.0mgの用量で承認されており、2型糖尿病の成人における血糖コントロール改善のための食事および運動療法の補助療法として、また2型糖尿病および心血管系疾患の既往を有する成人における主要な心血管系イベントのリスク低減を適応症としている。

 なお、海外で承認されているOzempicの適応症は、日本で承認を得ているオゼンピック皮下注の用法・用量および適応症とは異なる。

オゼンピック皮下注2mg 添付文書 医薬品ガイド (医薬品医療機器総合機構)

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 糖尿病の各薬剤を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 血糖推移をみる際のポイント!~薬剤選択にどう生かすか~
妊婦の糖代謝異常(妊娠糖尿病を含む)の診断と治療 糖尿病を有する女性の計画妊娠と妊娠・分娩・授乳期の注意点 下垂体機能低下症、橋本病、バセドウ病を有する女性の妊娠・不妊治療
インスリン・GLP-1受容体作動薬配合注 GIP/GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド) CGMデータを活用したインスリン治療の最適化 1型糖尿病のインスリン治療 2型糖尿病のインスリン治療 最新インスリン注入デバイス(インスリンポンプなど)
肥満症治療薬としてのGLP-1受容体作動薬 肥満症患者の心理とスティグマ 肥満2型糖尿病を含めた代謝性疾患 肥満症治療の今後の展開
2型糖尿病の第1選択薬 肥満のある2型糖尿病の経口薬 高齢2型糖尿病の経口薬 心血管疾患のある2型糖尿病の経口薬

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料