【新型コロナ】後遺症が疑われる人は34% どんな人に後遺症が出ているのか? 広島県調査
新型コロナの後遺症が疑われる人は34%
主な症状
広島県は、新型コロナの後遺症の実態を把握するため、県内で新型コロナに罹患した人を対象に、調査を実施した。調査期間は2021年12月10日~12月24日で、対象者は2,025人(回答率47.1%)。
その結果、新型コロナの後遺症が疑われる人は、全体の34%だった。調査では、新型コロナの後遺症として、「感染時の症状が、療養解除後も4週間以上続いたケース」「療養解除後4週間以内に発現した症状が、4週間以上続いたケース」と定義された。
後遺症が「あまりない」「まったくない」と答えた人が計59%と過半数だったが、後遺症が「ある」と答えた人では、2~4つの症状のあるという人が55%と半数を超えた。後遺症のある人の38%が、社会生活への影響があると答えた。
もっともつらいと感じる症状として、「倦怠感」20%、「息切れ・息苦しさ」13%、「せき」10%、「嗅覚障害」10%、「味覚障害」6%、「抜け毛」4%、「集中力不足」4%、「手足のしびれ」3%、「頭痛」3%、「抑うつ」3%が挙げられた。
後遺症が重症である割合は、「感染時に重症だった人」61%、「喫煙者」60%、「40代・50代」53%、「感染時の症状の数が5つ以上」51%、「肥満型の人」43%となった。半数以上が5ヵ月以内に症状の改善を感じている一方で、1年以上持続するケースもあるという。
倦怠感 (52%) |
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息切れ・息苦しさ (33%) |
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味覚障害 (28%)・嗅覚障害 (25%) |
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抜け毛 (24%) |
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集中力低下 (22%) |
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せき (20%) |
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※「診療の手引き」は、厚生労働省が公開している「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き(別冊:罹患後症状のマネジメント)」のこと。現時点の知見などをもとに、かかりつけ医などの医療従事者向けの診療や経過観察のあり方をまとめてある。
広島県感染症・疾病管理センターでは県民に対して、「新型コロナ後遺症を疑う症状にお悩みの場合は、まずは、受診の目安や県実態調査結果を参考に、医療機関を受診すべきか、確認してください」と呼びかけている。
受診の目安は「日常生活に支障が生じ始める程度の症状があり、4週間以上続いている場合」だという。
- まずは身近な医療機関(かかりつけ医等)を受診してください。
- 受診後、新型コロナ後遺症の専門的な診療が必要と判断された場合、医師の「紹介状」を必ず受け取り、新型コロナ後遺症外来を実施する医療機関を受診してください。
- 新型コロナウイルスの治療とは異なり、後遺症の治療は、一般の診療と同様の診療費等の自己負担が発生しますので、ご了承ください。
また、地域の医療機関に対しては、「他の疾病の可能性もふまえ診療した結果、新型コロナ後遺症の診療が必要と判断した場合は、紹介状を作成し、後遺症連携病院の受診を案内してください」と呼びかけている。