チルゼパチド、デュラグルチドと比較し心血管疾患合併2型糖尿病の心腎複合リスクを有意に低下 SURPASS-CVOT事後解析

SURPASS-CVOT試験は、心血管疾患を有する2型糖尿病患者を対象に、チルゼパチドとデュラグルチドの効果を比較した多施設共同の二重盲検無作為化試験。同試験では、主要心血管イベント(心血管死、心筋梗塞、脳卒中)の発生率において、チルゼパチドはデュラグルチドに対して非劣性を示した。本研究では、全死亡、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建術、心不全による入院、および腎有害転帰の6項目からなる複合心腎エンドポイントを新たに設定し、事後解析を実施した。
対象は、北米、南米、欧州、アジア、オセアニアの640施設で登録された、心血管疾患既往歴を有する2型糖尿病患者1万3165例(平均年齢64歳、男性71.0%、平均HbA1c 8.4%)であった。参加者は、チルゼパチド群(最大15mg/週)またはデュラグルチド群(1.5mg/週固定)に1対1で無作為に割り付けられ、それぞれ週1回の投与を受けた。
治療期間の中央値46.9カ月における解析の結果、主要評価項目である6項目の複合心腎エンドポイントの発生は、チルゼパチド群で1559例(23.7%)、デュラグルチド群で1803例(27.4%)に認められ、チルゼパチド群で有意にリスク低下した(HR 0.84、95%CI 0.79~0.90、P<0.001)。
また、各構成要素の解析においても、全死亡(HR 0.84、95%CI 0.75~0.94)、心筋梗塞(HR 0.86、95%CI 0.74~1.00)、脳卒中(HR 0.91、95%CI 0.76~1.09)、冠動脈血行再建術(HR 0.84、95%CI 0.75~0.95)、心不全による入院(HR 0.96、95%CI 0.79~1.17)、腎有害転帰(HR 0.79、95%CI 0.68~0.91)のいずれの項目も、複合心腎エンドポイントに寄与する結果が示された。
感度分析として、腎有害転帰を除外した5項目複合(HR 0.86、95%CI 0.80~0.93)、および腎有害転帰と心不全による入院を除外した4項目複合(HR 0.86、95%CI 0.80~0.93)についても評価されたが、いずれも同様のリスク低下が確認された。
安全性については、消化器系の有害事象がチルゼパチド群(42.5%)でデュラグルチド群(35.9%)よりも多く報告されたが、その他の有害事象の発生率は両群で概ね同様であった。。
以上の通り、本事後解析では、心血管疾患を有する2型糖尿病患者において、GIP/GLP-1受容体作動薬であるチルゼパチドの投与は、デュラグルチドと比較して、心血管および腎臓の広範な複合エンドポイントの発生率低下との関連が示された。
本解析結果は、2026年3月28日付けで「JAMA Cardiology」で報告された。



