「糖尿病標準診療マニュアル2025」を公開 糖尿病治療の流れを5つのステップで提示 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会
2025.04.09
一般社団法人 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会(代表理事:野田光彦)は4月1日、「糖尿病標準診療マニュアル2025」(第21版)の公開を開始した。同学会公式サイトで閲覧できる。

一般社団法人 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会
作成 | 一般社団法人 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会 糖尿病標準診療マニュアル作成委員会 |
公開日 | 2025年4月1日(第21版の使用は2026年3月31日までとする)
※2016年までは、国立国際医療研究センターによるマニュアルとして作成された(初版公開日:2010年3月11日)
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日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会 |
EBM手法による実践的なマニュアル
糖尿病治療の流れをステップ1~5の段階に分けて提示

「糖尿病標準診療マニュアル」 (一般診療所・クリニック向け)は、2010年に初版が公開され、それ以降ほぼ1年ごとに改訂が行われ、今回が第21版となる。一般クリニック・診療所での包括的2型糖尿病管理を念頭に、循環型地域診療連携推進も目指した内容になっている。
臨床研究による実証(エビデンス)を判断基準として重視する医療様式であるEBM(Evidence-Based Medicine)を重視し、理論と経験則を主体とする従来の医療を拡充する意義をもつ内容になっている。
診療においては質の高いエビデンスを選択し、患者の意向と状況を加味して、治療方針を個別化することが望ましいとし、治療目標については、絶対的な目標値ではなく、個々の症例で適切な値を設定することを重視し、具体的な基準を示している。
糖尿病の治療の流れを、ステップ1からステップ5の5つの段階に分け、実際的に示している。薬物療法をステップ1から開始し、その先のステップでそれぞれの薬剤を上乗せする。
同マニュアルは、日本糖尿病対策推進会議「糖尿病治療のエッセンス」、日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド」、日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」との併用を推奨するものであり、それらへの橋渡しとなることを目的とするものとしている。
「糖尿病標準診療マニュアル2025」(第21版) 作成手順 (抜粋)
(1) 一般クリニック・診療所での包括的2型糖尿病管理を念頭に、循環型地域診療連携推進も目指した。(2) 参考図書を基本に、さらに臨床アウトカムを評価したエビデンスに立脚して作成した。多数エビデンスが存在する場合やエビデンス不要の項目は引用を省略した。
(3) エビデンスがない分野の推奨は専門領域でのコンセンサスに基づいた。
(4) 同クラスの薬剤の選択に関しては、現時点での血管合併症に関するエビデンスの量と質に優れる薬剤を優先し、それが同じ場合は併用薬などの保険適用を考慮して選択した。
(5) 商品名は参考図書に記載されているものを優先し、それ以外は先発薬剤を記載した。同レベルの薬剤の記載は五十音順とした。なお、記載した薬剤で血糖、血圧、脂質などが目標値に達しない場合は、薬効の強い同種の別薬剤を適宜考慮することを前提としている。処方に際しては保険適用を考慮すること。
一般社団法人 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会
作成 | 一般社団法人 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会 糖尿病標準診療マニュアル作成委員会 |
公開日 | 2025年4月1日(第21版の使用は2026年3月31日までとする)
※2016年までは、国立国際医療研究センターによるマニュアルとして作成された(初版公開日:2010年3月11日)
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