米国成人の6割が今年のインフル予防接種を躊躇している
この調査は、今年8月30日~9月7日に18歳以上の米国内に住む成人1,000人を対象にオンラインで実施された。アンケート形式で、インフルエンザワクチン接種を受ける予定の有無を尋ねるとともに、その判断にCOVID-19パンデミックが影響を及ぼしているか否かを質問。またワクチンに関する理解度を調査する目的の質問も8問設定されていた。集計結果はAHAのサイト内に、10月12日掲載された。
インフルエンザワクチンの接種予定については前述のように、60%がワクチン接種を受けないか、接種タイミングを遅らせる可能性があると回答した。その一方で、昨シーズンにワクチン接種を受けた人に限ると、その98%が今年もワクチン接種を受ける予定であることが明らかになった。
また、COVID-19パンデミックをきっかけとして、自分の健康について考えるようになったとの回答が82%を占めた。ところが、COVID-19パンデミックのために今年のインフルエンザワクチン接種をより積極的に検討するとの回答は、わずか26%だった。この質問の回答を人種/民族別に見ると、ヒスパニック系の人は非ヒスパニック系の人に比べて、COVID-19がインフルエンザワクチン接種を受けるか否かの判断に影響を与えたとの回答が多かった(57対38%)。
ワクチンに関する理解度を問う8問の質問に対しては、大多数(94%)が少なくとも1つを誤って回答し、2つ以上誤った人も83%を占めていた。「ワクチン接種が原因でインフルエンザに罹患することはない」を「正しい」と正答したのは73%であり、「(米国では)COVID-19ワクチンとインフルエンザワクチンを同時接種可能である」と正答したのは88%だった。年齢層別に見ると、若年層の正答率が低い傾向が認められた。
AHA会長のDonald Lloyd-Jones氏は、「仮にインフルエンザシーズン前のワクチン接種が、例年にも増して強く推奨される年があるとしたら、それはまさに今年である」と述べている。同氏によると、インフルエンザワクチンは、基本的に全ての人に推奨されるが、特に強く推奨されるのは、糖尿病や高血圧、肥満などの慢性疾患があり感染症に脆弱である可能性のある人や、感染リスクの高い職業、例えば介護福祉士として働く人や不特定多数の人と接触する機会の多い人だという。
米疾病対策センター(CDC)は、一部の例外を除いて生後6カ月以上の全ての人に、10月31日までにインフルエンザワクチン接種を受けることを推奨している。
[HealthDay News 2021年10月15日]
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