「糖尿病標準診療マニュアル2024」を公開 糖尿病治療の流れを5つのステップで提示 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会

2024.04.10
 一般社団法人 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会(代表理事:野田光彦)は4月1日、「糖尿病標準診療マニュアル2024」(第20版)の公開を開始した。学会公式サイトから、無料でダウンロードできる。

一般社団法人 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会

EBM手法による実践的なマニュアル 糖尿病治療の流れをステップ1~5の段階に分けて提示

 「糖尿病標準診療マニュアル」 (一般診療所・クリニック向け)は、2010年に初版が公開され、それ以降ほぼ1年ごとに改訂が行われ、今回が第20版となる。一般クリニック・診療所での包括的2型糖尿病管理を念頭に、循環型地域診療連携推進も目指した内容になっている。

 臨床研究による実証(エビデンス)を判断基準として重視する医療様式であるEBM(Evidence-Based Medicine)を重視し、理論と経験則を主体とする従来の医療への補充的意義をもつ内容になっている。

 治療目標については、絶対的な目標値ではなく、個々の症例で適切な値を設定することを重視し、具体的な基準を示している。糖尿病の治療の流れについて、ステップ1からステップ5への段階に分けて提示している。

 経口血糖降下薬の選択では、単剤で開始するステップ1、その先のステップではそれぞれの薬剤を上乗せする、ステップ1の薬剤を処方できない場合はステップ2から開始するなど、実際的に示している。

 同クラスの薬剤の選択について、最新の情報を取り入れ、現時点での血管合併症に関するエビデンスの量と質に優れる薬剤を優先し、それが同じ場合には併用薬などの保険適用を考慮して選択している。

 なお、同マニュアルは、個々の臨床状況での理論・経験にもとづく医師の判断を拘束したり特定の方向付けを強制したりするものでなく、参考となる診療補助情報として活用されるべきものとしている。

 また、同マニュアルは、日本糖尿病対策推進会議「糖尿病治療のエッセンス」、日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド」、日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン」との併用を推奨するものであり、それらへの橋渡しとなることを目的とするものとしている。

一般社団法人 日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会

作成:一般社団法人日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会 糖尿病標準診療マニュアル作成委員会
公開日:2024年4月1日(本版の使用は2025年3月31日までとする)
初版公開日:2010年3月11日(*2016年までは、国立国際医療研究センターによるマニュアルとして作成された)
転載許可申請先:日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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