ステージ2の1型糖尿病治療薬「teplizumab」 日本における最初の臨床試験を開始 サノフィ
2025.09.17
サノフィ株式会社は8月21日、ステージ2の1型糖尿病の治療薬であるteplizumabについて、日本における最初の臨床試験「KIBOU-T1D」を開始し、最初の被験者の組み入れを完了したと発表した。

Teplizumabは、免疫細胞の一種であるT細胞の表面に発現するCD3に結合する抗体医薬品。CD3に結合することで自己反応性T細胞の活性を抑制し、膵β細胞の破壊を遅らせることで、ステージ3の1型糖尿病の発症を遅延させる可能性があるとされている。同剤は、米国ではステージ2の1型糖尿病を有する8歳以上の患者に対してステージ3の1型糖尿病の発症遅延の適応で承認されているが、日本においては今回が最初の臨床試験となる。
今回実施されるKIBOU-T1D(jRCT番号:jRCT2031240637)はランダム化第II相非盲検比較試験で、ステージ2の1型糖尿病の日本人小児および成人(8~34歳)を組み入れ、teplizumabの14日間投与について、ステージ3の発症遅延や膵β細胞保護作用に関する有効性および安全性を評価する。
1型糖尿病のステージ2は、膵β細胞が破壊され、体内で必要な十分なインスリンが産生されなくなり、ブドウ糖を正常に代謝できなくなる状態。ほぼすべての患者で、一定の期間を経てステージ3に進行し、インスリン療法が必要となる。
[ 糖尿病リソースガイド編集部 / 日本医療・健康情報研究所 ]