世界初の週1回投与のインスリン製剤「アウィクリ」(インスリン イコデク)が日本で承認取得 注射回数を大幅に減少 ノボ

2024.06.26
 ノボ ノルディスク ファーマは6月24日に、週1回皮下投与のインスリンアナログ製剤である「アウィクリ注 フレックスタッチ 総量300単位、同700単位」[一般名:インスリン イコデク(遺伝子組換え)]について、「インスリン療法が適応となる糖尿病」を適応症として、製造販売承認を取得したと発表した。

 「アウィクリ注」は世界ではじめてとなる週1回投与の新しい基礎(Basal)インスリン製剤。半減期は約1週間で、作用が長時間持続する。皮下投与後、インスリン イコデクは可逆的にアルブミンと結合するが、緩徐にアルブミンから解離しインスリン受容体と結合して作用することで、血糖降下作用が1週間にわたり持続する。

世界初の週1回投与の基礎インスリン製剤「アウィクリ」
注射回数を大幅に減らし患者の負担を軽減

 世界初の週1回皮下投与のインスリンアナログ製剤である「アウィクリ注 フレックスタッチ 総量300単位、同700単位」[一般名:インスリン イコデク(遺伝子組換え)]は、700単位/mLと高濃度であるため、週1回投与の注射液量は、1日1回の持効型溶解インスリンの1日投与量と同等となる。

 基礎インスリン製剤は、生理的なインスリンの基礎分泌を補充する目的で糖尿病患者の血糖管理に用いられ、通常1日1回もしくは2回の皮下注射が必要となる。基礎インスリン製剤である「アウィクリ注」は週1回皮下注射製剤であり、従来のインスリン製剤よりも投与回数を大幅に減らすことができ、利便性が高く、患者の治療負担感の軽減によりQOLや治療実施率の向上が期待できるとしている。

 今回の承認は、「アウィクリ注」の第3相試験プログラムであるONWARDS試験の結果にもとづいている。ONWARDS試験は、1型糖尿病あるいは2型糖尿病の成人患者4,000例以上を対象とした6つのグローバル第3相臨床試験で構成され、うち4つの試験(ONWARDS 1、2、4、6)に日本人400例以上が参加している。

 ONWARDS試験はいずれも、「アウィクリ注」の有効性および安全性を実薬対照と比較する無作為割り付け、並行群間、多施設共同、国際共同試験。

 ONWARDS試験を通じて、週1回投与の「アウィクリ注」では、1日1回投与の持効型溶解インスリンと比較して非劣性が検証され、良好な有効性が認められた。また、すべての試験において、同剤の投与は安全かつ忍容性は良好であり、予期されない安全性の問題は認められなかった。

 「この画期的なインスリン製剤は、糖尿病治療における有用な新しいオプションになると考えています。これまでの基礎インスリンでは毎日注射する負担や心理的抵抗がインスリン導入の障壁となり、必要な患者さんにおいて適切な時期にインスリン治療を開始することが難しい現状や、インスリン導入後も治療の遵守が難しいことが報告がされてきました。また、糖尿病を有する高齢者が多く存在する日本においては、インスリン注射には家族や介護士、医療従事者のサポートが必要なことも多く、必要なインスリン治療を十分に行えないケースも少なくありません。アウィクリ注は週1回注射であるため、利便性と簡便性が大きく向上することが期待でき、これらの課題も解決できる可能性があります。それによって、糖尿病を有する方の適切な血糖管理や長期的な予後の向上に貢献できると大きな期待をしています」と、同社では述べている。

4つの試験(ONWARDS 1、2、4、6)を実施

 なお、ONWARDS 1試験では、インスリン治療歴のない2型糖尿病患者984例を対象に、78週間投与における、インスリンを除く糖尿病治療薬の併用下でのアウィクリ注週1回投与の効果および安全性を、インスリン グラルギン100単位/mL 1日1回投与と比較した。主要評価項目である、ベースラインから52週までのHbA1cの変化量について、インスリン グラルギンに対するアウィクリ注の非劣性が検証された[p<0.0001]。

 ONWARDS 2試験では、基礎インスリン療法で治療中の2型糖尿病患者526例を対象に、26週間投与における、インスリンを除く糖尿病治療薬の併用/非併用下でのアウィクリ注週1回投与の効果および安全性を、インスリン デグルデク1日1回投与と比較した。主要評価項目である、ベースラインから26週までのHbA1cの変化量について、インスリン デグルデクに対するアウィクリ注の非劣性が検証された[p<0.0001]。

 ONWARDS 4試験では、基礎-Bolus療法で治療中の2型糖尿病患者582例を対象に、26週間投与における、インスリンを除く糖尿病治療薬の併用/非併用下でインスリン アスパルトを併用した場合のアウィクリ注週1回投与の効果および安全性をインスリン グラルギン100単位/mL 1日1回投与と比較した。主要評価項目である、ベースラインから26週までのHbA1cの変化量について、インスリン グラルギンに対するアウィクリ注の非劣性が検証された[p<0.0001]。

 ONWARDS 6試験では、成人1型糖尿病患者582例を対象に、52週間投与における、インスリン アスパルトの併用下でのアウィクリ注週1回投与の効果および安全性をインスリンデグルデク1日1回投与と比較した。主要評価項目である、ベースラインから26週までのHbA1cの変化量について、インスリン デグルデクに対する「アウィクリ注」の非劣性が検証された[p=0.006]。

Rationale and design of the phase 3a development programme (ONWARDS 1–6 trials) investigating once-weekly insulin icodec in diabetes (Diabetes, Obesity and Metabolism 2022年9月)
Weekly Icodec versus Daily Glargine U100 in Type 2 Diabetes without Previous Insulin (New England Journal of Medicine 2023年6月)
Switching to once-weekly insulin icodec versus once-daily insulin degludec in individuals with basal insulin-treated type 2 diabetes (ONWARDS 2): a phase 3a, randomised, open label, multicentre, treat-to-target trial (Lancet Diabetes & Endocrinology 2023年5月)
Switching to once-weekly insulin icodec versus once-daily insulin glargine U100 in individuals with basal-bolus insulin-treated type 2 diabetes (ONWARDS 4): a phase 3a, randomised, open-label, multicentre, treat-to-target, non-inferiority trial (Lancet 2023年5月)
Once-weekly insulin icodec versus once-daily insulin degludec as part of a basal-bolus regimen in individuals with type 1 diabetes (ONWARDS 6): a phase 3a, randomised, open-label, treat-to-target trial (Lancet 2023年10月)

週1回持効型溶解インスリンアナログ注射液 インスリン イコデク (遺伝子組換え) 「アウィクリ」 (ノボ ノルディスク プロ)

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

スポーツとメンタルヘルス関連ホルモン 骨格筋ホルモンの代謝への影響・関連
糖尿病合併高血圧のマネージメント CKD合併高血圧のマネージメント(生活習慣修正・降圧薬治療) 本態性高血圧と血管調節異常、神経調節異常、ナトリウム調節異常 内分泌性二次性高血圧アップデート
肥満の外科治療-減量・代謝改善手術の最新エビデンス- 甲状腺結節の診断・経過観察の最新エビデンス 原発性アルドステロン症治療の最新エビデンス
糖尿病の各薬剤を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) 糖尿病関連デジタルデバイスのエビデンスと使い方 血糖推移をみる際のポイント!~薬剤選択にどう生かすか~ 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプや持続血糖測定器など)
タンパク質とアミノ酸の代謝 脂質の代謝 糖代謝の調節機構

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料