アボットの「FreeStyleリブレ」とMICINのオンライン診療サービスを組み合わせ新たな治療環境を提供 糖尿病治療の課題に対応

2022.10.18
 アボットジャパン合同会社とMICINは、糖尿病、とくに2型糖尿病の重要な課題ともなっている治療継続の重要性に対する認知向上のための疾患啓発活動を共同で展開するため、協業を開始したと発表した。

 アボットの持続グルコース血糖測定器「FreeStyleリブレ」などの血糖自己測定器と、MICINのオンライン診療サービス「curon(クロン)」を組み合わせ、糖尿病を有する人々や血糖管理を必要とする人々に、新たな治療環境を提供するとしている。

 日々の生活のなかで、より簡単かつ効率的に糖尿病の管理を行い、医師による適切な治療を受けやすくするソリューションを共同で提供していく。

「FreeStyleリブレ」を用い自宅で血糖管理に関する医療従事者のアドバイスを

 アボットジャパン合同会社とMICINの協業では、その第1弾として、オンライン診療による「血糖変動モニタリング」を開始する。この取り組みにより、患者は血糖管理に関するアドバイスを得ることができ、オンライン診療に対応している医療機関を簡単に探すことも可能になる。さらに、オンライン診療サービス「curon」を通じて、遠隔で診療を受けることもできる。

 これにあわせて、糖尿病を有する人々や血糖管理を必要とする人々、さらに「血糖変動モニタリング」に興味をもった人々が、遠隔での血糖管理について理解できる特集ページを「curon」上に公開した。

 2017年国民健康・栄養調査によると、就労世代の糖尿病を有する人々の42.4%は未治療であり、また、2019年同調査によると、治療を受けた人のなかでも3分の1弱が治療を中断しており、多くの人が十分な治療を受けていない状況がある。加えて、新型コロナの流行により、受診控えをしている人も多くみられ、社会的な問題となっている。

 糖尿病を有する人々が治療を中断する主な理由に、忙しさが挙げられており、医療機関への訪問にともなう時間的な負担を軽減することができるオンライン診療は、非常に大きな役割を担っていくと期待されている。

 加えて、糖尿病治療に重要な血糖情報を継続的にモニタリングし、遠隔で医師と共有することができるアボットの持続グルコース血糖測定器「FreeStyleリブレ」などの血糖自己測定器を用いることで、自宅にいながら血糖管理に関する医療従事者のアドバイスを得るとともに、適切な糖尿病治療を受けることが可能になる。

 そこでアボットとMICINは、コロナ禍で適切な受診が難しい現状、そして「FreeStyleリブレ」の保険適用区分C150 血糖自己測定器加算 7の対象範囲がインスリン療法を行っているすべての糖尿病を有する人々に拡大したこと、さらには診療報酬制度の改定によりオンライン診療に関する報酬が見直されたことなどの状況をふまえ、日本の糖尿病治療の発展に向けた協業を開始することを決定した。

FreeStyleリブレ

 「糖尿病に代表される慢性疾患は、継続的なケア、定期的な診察が必要なため、デジタル技術の介入や、オンライン診療による負担軽減が期待されます。持続グルコース測定技術で世界をリードするアボットと今回取り組むことで、1人でも多くの糖尿病を有する方のより良い治療サポートができることを期待します」と、MICINでは述べている。

 「アボットはさまざまなパートナー様と協力し、糖尿病治療に革新的なソリューションを提供するべく取り組んでいます。私たちの持続血糖測定器"FreeStyleリブレ"と、多くの人々に利用されているMICINのオンライン診療プラットフォーム"curon"を組み合わせることで、日常生活で、煩わしさを感じることなく、それぞれの人に見合った治療環境を可能にするデジタルソリューションが提供できると考えています」と、アボットジャパン合同会社では述べている。

糖尿病のデジタルヘルスは進歩している

 アボットの「FreeStyleリブレ」は、持続グルコース測定技術を用いた世界をリードするデバイスであり、60ヵ国以上で400万人近くの人々に使用されている。そのユーザーは、「FreeStyleリブレLink」アプリを使用することで、スマートフォンを使って迅速かつさりげなくセンサーをスキャンすることが可能になる。また、糖尿病を有する人々は、自身の血糖データを「リブレView」を介して医師と共有することができる。

 「FreeStyleリブレ」は、日本では2016年5月に製造販売承認を取得し、2017年1月に発売された。1型・2型等の病型を問わずインスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている入院中の患者以外の患者に、C150 血糖自己測定器加算 7.「間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」が適用される。

 また、MICINの「curon」(クロン)は、2016年4月に提供がはじめられ、2022年9月時点で6,000を超える医療機関での導入実績があるオンライン診療サービス。患者はスマートフォン、パソコン、タブレットから、医療機関はパソコンまたはタブレット端末を使用し、予約から問診、診察、決済、処方せんや医薬品の配送手続きまでをオンラインで完結させることができる。

 MICINが提供する薬局向けオンライン服薬指導サービス「「curon」(クロン)お薬サポート」と連携しており、患者は同じクロンアプリ上で、薬剤師によるオンライン服薬指導、決済、薬の配送サービスを受けることも可能。

アボットジャパン
>> FreeStyleリブレ 医療従事者向け情報 アボットジャパン 糖尿病関連製品情報サイト

MICIN(マイシン)
>> オンライン診療サービス「curon(クロン)」

[ TERAHATA / 日本医療・健康情報研究所 ]

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