【新型コロナ】「医療機関での感染恐怖」の払拭が治療中断や病状悪化を予防するために重要 定期通院中の患者のうち38%で受診頻度が減少

2021.03.18
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第一波流行中に、「受診頻度が減少した」という人が37.8%に上り、「医療機関での感染への恐怖」が受診頻度の抑制と関連していることが、東京医科大学の調査で明らかになった。
 通院の中断や病状悪化を防ぐためには、受療行動が変化しやすい集団への配慮や、とくに"医療機関での感染への恐怖"の払拭・低減に努め、新型コロナウイルス感染症の流行下でも受診を継続しやすい環境を整備することが重要としている。

新型コロナ流行下での受療行動の変化について調査

 東京医科大学は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第一波流行中の2020年5月に、関東地方在住の20~79歳の男女2,400人を対象にインターネット調査を実施し、COVID-19の流行前に医療機関を定期受診していた659人の受療行動を分析した。

 対象者に「受診頻度の減少」「定期内服切れ」「持病の悪化」「電話・オンライン診療の活用」、そのほか受診に関する要因について回答してもらった。対象者のうちCOVID-19の流行前に外来を定期受診しており、内科慢性疾患で通院中の659人について解析した。

 その結果、「受診頻度が減少した」と回答した人の割合は37.8%で、「医療機関で感染することが怖い」「東京在住」「女性」といった条件があることが、受診頻度の抑制と有意に関連していた。

 一方、「定期内服ができなくなった」という人は6.8%で「持病が悪化した」という人は5.6%にとどまった。

 研究は、東京医科大学公衆衛生学分野の小田切優子講師らの研究チームによるもの。研究成果はプライマリケア学会の英文雑誌「Journal of General and Family Medicine」に掲載された。

出典:東京医科大学公衆衛生学分野、2021年

「医療機関での感染への恐怖」を払拭・低減することが必要

 受診に関する要因のうち「医療機関での感染恐怖」は「受診頻度の減少」「定期内服切れ」といった項目と関連していた。さらに要因間の分析を行ったところ、「受診頻度が減少」した人に、「定期内服切れ」「持病の悪化」が多く、受診抑制が病気の悪化につながった可能性が示唆された。

 また、オンライン診療を活用した人の割合は9.1%だった。受診頻度が減少した人の割合に比べて、定期内服ができなくなった人の割合が少なかったことから、長期処方等で対応が行われていた可能性がある。

 「通院の中断や病状悪化を防ぐためには、受療行動が変化しやすい集団への配慮や、とくに"医療機関での感染への恐怖"の払拭・低減に努め、新型コロナウイルス感染症の流行下でも受診を継続しやすい環境を整備することが重要です」と、研究者は述べている。

 「今回の研究は第一波流行中の受療行動を観察したものですが、その後、受療行動がどう変化しているのか注視するとともに、必要以上の受療抑制が起こらないような対策が必要と考えられます」としている。

東京医科大学公衆衛生学分野
Changes in the medical treatment status of Japanese outpatients during the coronavirus disease 2019 pandemic(Journal of General and Family Medicine 2021年3月16日)

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