クラウド活用の新たなデータ管理システム「リブレView」 FreeStyleリブレの全グルコースデータをアップロード可能
「FreeStyleリブレ」で記録された全グルコースデータを、紙や電子記録でやり取りせずに、安全なクラウドシステムを介して医療従事者と共有可能になる。
新型コロナウイルス感染症の流行下で、患者が病院への定期訪問に慎重になっている場合でも、医療従事者は最新のデータに基づく患者指導や診療が可能になる。
データに基づく診療・指導が容易となり、オンライン診療にも寄与
患者の健康状態に基づいたより適切な糖尿病管理を支援
アボットジャパン合同会社は、クラウドベースの糖尿病患者データ管理システム「リブレ View」の提供を、糖尿病患者および医療従事者向けに開始した。国内で「FreeStyleリブレ」を利用している全ての糖尿病患者および医療従事者が、グルコースデータを紙や電子記録でやりとりをせずに、「リブレ View」利用し、クラウド上でデータ共有を行える。
対面診療による新型コロナウイルス感染の機会削減のため、2020年4月からオンライン診療の導入が進んでいる。糖尿病患者が医療機関への受診に慎重になっている現在の状況下で、「リブレView」を利用することで、医師や看護師が患者のグルコースデータを参照することが可能となり、オンライン診療時においても長期的な血糖の推移や傾向について患者と話し合うことができるようになる。
糖尿病患者は、ノートパソコンなどのデバイスから、FreeStyleリブレのリーダーに記録された全グルコースデータをクラウドベースの「リブレView」システムにアップロードすることが可能になる。
「リブレView」は国際規格ISO 27001に準拠したクラウドベースのシステムであるため、患者と医療従事者双方の安全なデータ管理を実現する。患者は、グルコースデータを印刷して持参する必要がなくなり、医師に自身のデータへのアクセスを許可するか、もしくはグルコースデータを電子メールで送信するかを選択できる。
医療従事者による、複数の患者データの効率的な管理を支援
「リブレView」は複数の患者のグルコースデータの一元管理が可能。主要な機能は、TIR(Time in Range)やAGP(Ambulatory Glucose Profile、血糖トレンド)、日々のグルコース変動などの主要指標の一覧表示だ。これにより、医師はさらなるモニタリングと支援が必要となりうる患者を優先して治療することができる。
「良好な血糖コントロールを維持することで、糖尿病の重症化を防ぎ、予後を改善することができます。今後は、デジタルデータを積極的に活用し、医療従事者が患者さんの糖尿病の管理状況についての詳細なデータにアクセスしつつ、オンライン上で糖尿病患者さんへの医学的な指導を行うなど、診療のオプションを増やさざるをえなくなると考えています。リブレViewでは、過去のグルコースデータの測定値について比較・参照することができるため、医療従事者は詳細な情報を把握して、患者さんをより適切にフォローすることが可能になります」と、東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 主任教授の西村理明先生は述べている。
「リブレViewは、患者と医療従事者の双方にとって、データに基づくより良い糖尿病管理を実現する重要な役割を担うと同時に、世界50ヵ国以上で250万人を超える人々に使用されているアボットのFreeStyleリブレ等糖尿病関連製品に、新たな価値を付加するものと考えています」と、アボットジャパン合同会社ダイアベティスケア事業部ジェネラルマネージャーのキャロライン ジョンソン氏は述べている。
FreeStyleリブレ
アボットの「FreeStyle リブレ」は、持続グルコース測定技術を用いたデバイスで、50ヵ国以上で250万人以上の人々が使用している。日本では2016年5月に承認を取得し、2017年1月に発売された。
「FreeStyleリブレ」は現在、1型・2型などの病型を問わず「入院中の患者以外であって、強化インスリン療法を行っているものまたは強化インスリンを行った後に混合型インスリン製剤を1日2回以上使用しているもの」を対象に血糖自己測定器加算「C150 7」が適用されている。
また、その他のインスリン療法を施行中の患者がFreeStyleリブレ使用する際には、月当たりの血糖自己測定(SMBG)回数を基に、血糖自己測定器加算「C150 1-6」が適用される。