週1回投与の持続性GLP-1受容体作動薬「トルリシティ」が高い服薬アドヒアランスと継続性を示す
2020.06.25
第80回米国糖尿病学会(ADA2020)
米国イーライリリーは、週1回投与の持続性GLP-1受容体作動薬「トルリシティ」(一般名:デュラグルチド)について、GLP-1受容体作動薬の治療を新たに始めた2型糖尿病患者での新しいリアルワールドデータから、週1回投与のセマグルチドまたはエキセナチド(徐放製剤)に対し、有意に高い服薬アドヒアランスと長い継続性を示したと発表した。今回のデータは第80回米国糖尿病学会(ADA2020)で公表された。
米国イーライリリーは、週1回投与の持続性GLP-1受容体作動薬「トルリシティ」(一般名:デュラグルチド)について、GLP-1受容体作動薬の治療を新たに始めた2型糖尿病患者での新しいリアルワールドデータから、週1回投与のセマグルチドまたはエキセナチド(徐放製剤)に対し、有意に高い服薬アドヒアランスと長い継続性を示したと発表した。今回のデータは第80回米国糖尿病学会(ADA2020)で公表された。
週1回投与のシンプルな治療が長期的な影響をもたらす可能性が
今回の研究は、HealthCore Integrated Re-search Database(HIRD)の2017年8月~2019年6月の米国レセプト情報を用いた後ろ向き実臨床観察研究で、服薬アドヒアランスおよび継続性が比較された。 対象となったのは、週1回投与製剤であるトルリシティ、セマグルチド、エキセナチドによる治療を始めた2型糖尿病患者。主要目的は、新たに週1回投与のGLP-1受容体作動薬を始める2型糖尿病患者での6ヵ月間の服薬アドヒアランスと継続性を、トルリシティ(1.5mgおよび0.75mg)とセマグルチド(1.5mgおよび0.25または0.5mg)およびエキセナチドで比較すること。 トルリシティ群はセマグルチド群(3,852ペア)またはエキセナチド群(1,879ペア)に対し、傾向スコアが1:1で一致しており、対象群はベースライン特性でバランスがとれていた。また、対象患者は18歳以上で、ベースラインの年齢、性別、aDCSIスコア、合併症などの特徴が一致していた。 その結果、トルリシティ群は、6ヵ月時点において、セマグルチド群またはエキセナチド群に比べ、高い服薬アドヒアランスと継続性を示した。さらに、トルリシティ群の治療中止患者数は、セマグルチド群またはエキセナチド群と比較し、有意に少ないことが示された。 トルリシティ 対 セマグルチド (週1回投与)59.7%(トルリシティ) 対 42.7%(セマグルチド) | |
継続性 | 143.6日(トルリシティ) 対 122.9日(セマグルチド) |
治療中止率 | 30.8%(トルリシティ) 対 40.8%(セマグルチド) |
58.1%(トルリシティ) 対 40.3%(エキセナチド) | |
継続性 | 142日(トルリシティ) 対 121.4日(エキセナチド) |
治療中止率 | 32.1%(トルリシティ) 対 49.4%(エキセナチド) |
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]