【新型コロナウイルス】レムデシビルがCOVID-19重症患者に対する治療薬として承認 国内初の治療薬

2020.05.08
 ギリアド・サイエンシズは5月8日、特例承認制度の下、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスとなるSARS-CoV-2感染に対する治療薬として「ベクルリー点滴静注液100mg」(水性注射液)および「ベクルリー点滴静注用100mg」(注射用凍結乾燥製剤)(一般名:レムデシビル)の承認を日本で取得したと発表した。

厚労省が4日で審査 特例承認
グローバル臨床試験および人道的使用プログラムのデータにもとづく特例承認

 この特例承認は、COVID-19の感染が拡大する中、米国でレムデシビルの緊急時使用許可が得られたことを受けて出されたもの。同社が5月4日に承認を申請し、厚生労働省は4日間で審査を終えた。

 今回の承認は、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が主導する第3相臨床試験、同社が実施中のCOVID-19重症患者を対象とする第3相SIMPLE試験の臨床データ、ならびに日本で治療された患者を含むギリアドの人道的使用プログラムのデータにもとづく。

 NIAIDが公表した治験結果によると、プラセボを投与した患者は回復に15日程度かかったが、レムデシビルを投与した場合は11日に短縮された。死亡率の明確な改善までは認められなかった。

 「日本における本剤の承認は、日本国内のきわめて重篤な患者に対する治療が緊急に求められている状況に対処するものです。COVID-19パンデミックという異例な事態を反映しています」と、同社では述べている。

 なお、レムデシビルは日本以外の国では承認されておらず、現在実施中の臨床試験で安全性と有効性の評価が行われている。

 レムデシビルは、マールブルグウイルス、MERSウイルス、SARSウイルスなど、複数種類の新興感染症病原体に対し、in vitroと動物モデルを用いた試験の両方で広範な抗ウイルス活性が認められている核酸アナログであり、最近では抗エボラウイルス活性も判明している。

 MERSやSARSの原因となるウイルス病原体もコロナウイルスの一種であり、COVID-19の原因となるSARS-CoV-2ウイルスと構造が類似している。レムデシビルのMERSおよびSARSに対する非臨床試験では、限られたデータではあるものの、抗SARS-CoV-2活性の可能性が示された。

ベクルリー点滴静注液100mg/ベクルリー点滴静注用100mg 添付文書 (医薬品医療機器総合機構)

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