DPP-4阻害薬「エクア」とメトホルミンの早期併用療法 早期併用がメトホルミン単剤より優れる
2019.10.04
新規発症の2型糖尿病患者で、DPP-4阻害薬「エクア」とメトホルミンの早期併用療法は、メトホルミン単剤療法よりも優れることが示された。
早期併用療法のベネフィットを検討した最初の試験
ノバルティスは、DPP-4阻害薬「エクア錠50mg」(一般名:ビルダグリプチン)とメトホルミンによる早期併用療法の長期有効性および安全性を検討した第4相臨床試験「VERIFY」の主要結果を発表した。詳細は、欧州糖尿病学会(EASD)年次総会で発表され、「Lancet」に掲載された。 「VERIFY」試験は、5年間の追跡期間で、エクアとメトホルミンの早期併用療法による血糖コントロール維持効果を評価するためにデザインされた第4相ランダム化二重盲検試験。2型糖尿病と診断後早期かつ治療歴がない患者2,001名(HbA1c 6.5~7.5%)を対象に、34ヵ国254施設で実施された。 同試験では、試験前または試験中にメトホルミンの安定用量(1,000~2,000mg/日)を4週間処方された2,001名の患者を対象に、エクア50mgを1日2回追加投与群またはプラセボ投与群にランダム(1:1)に振り分けた。試験の最初の4週間は、ランダム化後にメトホルミンを2,000mg/日までの用量、または少なくとも1,000mg/日の忍容性のある最大用量に調整できるよう、両治療群のメトホルミンの用量を調整した。初期治療でHbA1c値が7.0%未満に維持されなかった場合、メトホルミン単剤療法群にプラセボの代わりにエクア50mgを1日2回投与した。 主要評価項目は、初回治療で目標値からの脱落までの期間であり、ランダム化の13週後から連続して2回予定来院時にHbA1c≧7%と定義された。 その結果、エクア(50mg、1日2回)とメトホルミン(1日用量1,000~2,000mg)の早期併用療法が、メトホルミン単剤療法と比較して、初回治療からの脱落までの期間の相対リスクを有意に49%低下させ、主要評価項目を達成したことが示された(HR: 0.51、95%信頼区間 [0.45、0.58]; P<0.0001)。 また、早期併用療法では、全患者が併用療法に移行した後に治療から脱落する頻度を下げることが示された(HR: 0.74、95%信頼区間 [0.63、0.86]; P<0.0001)。 さらに、早期併用療法で治療された患者では、メトホルミン単剤療法脱落後に併用療法を受けた患者と比較して、5年間連続して、より低いHbA1c値が示された(6.0%、6.5%または7.0%未満)。 全体的な安全性および忍容性プロファイルは、治療群間で同様であり、未知または新規の有害事象はみられなかった。 「2型糖尿病の管理で、現在推奨されている初回単剤療法に続いての併用療法によるアプローチは、今や過去の治療であることが明らかになった」と、オックスフォード大学糖尿病学名誉教授のデビッド マシューズ氏は述べている。 「エクメット配合錠LD/HD」は、2 型糖尿病患者(ただし、エクアおよびメトホルミンの併用による治療が適切と判断される場合に限る)に投与可能なDPP-4阻害薬とビグアナイド薬の配合剤。 エクア錠50mg 添付文書[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]