糖尿病の自己管理をアドバイスするアプリが低血糖・高血糖のリスクを低減 アセンシアの血糖自己測定システム用アプリ「CONTOUR DIABETES」
2018.12.27
米国・糖尿病技術学会で発表
PHCホールディングスの子会社であるアセンシア ダイアベティスケアホールディングスは、同社が海外市場向けに販売する血糖自己測定システム用アプリケーション「CONTOUR DIABETES」を使用することで、糖尿患者の低血糖および高血糖の発生リスクが低減することを示したはじめての臨床研究の結果を発表した。
PHCホールディングスの子会社であるアセンシア ダイアベティスケアホールディングスは、同社が海外市場向けに販売する血糖自己測定システム用アプリケーション「CONTOUR DIABETES」を使用することで、糖尿患者の低血糖および高血糖の発生リスクが低減することを示したはじめての臨床研究の結果を発表した。
「情報-動機づけ-行動スキル」モデルにもとづき糖尿病の自己管理をアドバイスするアプリ
研究は、「CONTOUR DIABETES」の使用による低血糖および高血糖の発生頻度への影響を調べたもので、並行して同アプリケーション使用による糖尿病患者の血糖値測定回数の変化についても調査された。11月にメリーランド州ベセスダで開催された第28回米国・糖尿病技術学会(28th Diabetes Technology Meeting)で発表された。 血糖自己測定システム「CONTOUR NEXT ONE」は、Bluetoothを介してシームレスにスマートモバイル機器に接続できる、ワイヤレス対応の血糖自己測定システム。「smartLIGHT」テクノロジーで即座にフィードバックを返し、アプリケーション「CONTOUR DIABETES」が血糖自己測定システムから受信した血糖値の測定結果を収集するとともに保存・分析する。 同アプリは、得られた測定値を分析してその傾向を特定し、健康のための行動変化をもたらす「情報-動機づけ-行動スキル(Information-Motivation-Behavioral Skills)」モデルにもとづき、糖尿病の自己管理の方法について患者1人ひとりにアドバイスする。 また、患者の血糖値測定結果を医療従事者と共有することで、診察時に必要な情報にもとづいた問診が可能になる。なお、同システムおよびアプリは海外市場でのみ販売されている。低血糖および高血糖の発生リスクが低減 測定回数も増加
臨床研究では、同アプリを180日以上使用することで、50mg/dL以下の低血糖および250mg/dL以上の高血糖が1回以上発生する可能性が減少することが判明した(低血糖の場合:オッズ比2.47、高血糖の場合:オッズ比1.56)。低血糖の値を70mg/dL以下、高血糖の値を180mg/dL以上と定義した場合でも、同様の結果が得られた。 さらに、糖尿病患者の血糖値測定回数は、使用開始後30日までは1日平均2回だったが、180日経過後は1日平均4.5回に増加した。糖尿病の自己管理が向上したことが示された。 研究は、同アプリを180日以上使用している北米の糖尿病患者5,870人の匿名データにもとづいて行われた。同研究対象期間中に少なくとも1回は低血糖または高血糖を経験したことがある患者を対象とし、低血糖と高血糖の程度が異なる2つのグループに分類した。 1つ目は血糖値が70mg/dL以下の低血糖、もしくは180mg/dL以上の高血糖が1回以上発生したグループ(1,253人)、2つ目は血糖値が50mg/dL以下の低血糖、または250mg/dL以上の高血糖が1回以上発生したより重症なグループ(654人)。 各グループで、1回以上の低血糖および高血糖の発生について、同アプリの使用後30日が経過するまでの期間と、使用後180日が経過した後でオッズ比をそれぞれ計算した。さらに、同アプリ使用による低血糖および高血糖への影響を判断するために、使用開始後30日が経過するまでの期間におけるオッズ比と、180日が経過した後でのオッズ比を比較した。さらに、糖尿病患者の血糖値測定回数も両期間で比較した。 「糖尿病管理の重要な目的のひとつは、糖尿病患者の健康に重大な影響を及ぼす低血糖および高血糖の発症回数を減らすことです。今回の研究で、『CONTOUR DIABETES』が、糖尿病患者の低血糖や高血糖の発症率を減少させ、糖尿病が生活に与える影響を抑えることができる可能性が示されました。『CONTOUR DIABETES』の機能向上を継続して行っており、糖尿病患者の自己管理をサポートする機能やツールのさらなる充実を図ります」と、アセンシアのチーフメディカルオフィサーであるサビナ ファーバー博士は述べている。 PHCホールディングスアセンシア ダイアベティスケアホールディングス
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]