経口セマグルチドが心血管系に対する安全性を示す 心血管死・全死亡は減少

2018.12.05
 ノボ ノルディスクは、開発中の1日1回服用のGLP-1アナログである経口セマグルチドについて、グローバル第3相臨床試験プログラムである「PIONEER 6」の主な結果を発表した。

経口セマグルチドの有効性・安全性プロファイルを確立

 「PIONEER 6」は、心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者3,183名を対象に、標準治療に経口セマグルチド14mgまたはプラセボを追加投与した時の、心血管系に対する安全性を評価する無作為割り付け、二重盲検、プラセボ対照比較試験として実施された。

 同試験では、主要な心血管イベント(MACE)の発現について、経口セマグルチドのプラセボに対する非劣性が示され、主要目的を達成した。主要評価項目として設定した心血管死、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中の最初の発現に関するMACE複合アウトカムについて、プラセボに対する経口セマグルチドのハザード比(HR)は0.79で、有意差は認められなかった。

 この結果は、中央値16ヵ月の追跡期間中に発現したのべ137件のMACEにもとづいている。経口セマグルチドで示されたMACEの結果は、有意な心血管死の51%減少(HR 0.49、p=0.03)によるもので、非致死性心筋梗塞(HR 1.18、有意差なし)または非致死性脳卒中(HR 0.74、有意差なし)については、両投与群間で広範かつ同様に発現していた。また、あらゆる理由による死亡については経口セマグルチド群で49%の有意な減少が認められた(HR 0.51、p=0.008)。

 HbA1c、体重および血圧などの副次的評価項目の改善については、経口セマグルチドのPIONEERプログラム全体を通じて報告された結果と同様だった。さらに、PIONEER 6で示された経口セマグルチドの安全性プロファイルは、これまでのPIONEER臨床試験で示された安全性プロファイルと同様だった。

 同社は、すでに実施していた「オゼンピック」(週1回皮下投与のセマグルチド)の追加の大規模な心血管アウトカム試験(CVOT)である「SUSTAIN 6」の臨床データに加えて、経口セマグルチドのCVOTである「PIONEER 6」の臨床データを用いることで、「オゼンピック」の心血管系の適応を取得可能か評価しているところで、今後もFDAと協議を継続するとしている。

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

尿病関連腎臓病の概念と定義 病態多様性 低栄養とその対策
小児・思春期1型糖尿病 成人期を見据えた診療 看護師からの指導・支援 小児がんサバイバーの内分泌診療 女性の更年期障害とホルモン補充療法 男性更年期障害(LOH症候群)
神経障害 糖尿病性腎症 服薬指導-短時間で患者の心を掴みリスク回避 多職種連携による肥満治療 妊娠糖尿病 運動療法 進化する1型糖尿病診療 糖尿病スティグマとアドボカシー活動 糖尿病患者の足をチーム医療で守る 外国人糖尿病患者診療
インクレチン(GLP-1・GIP/GLP-1)受容体作動薬 SGLT2阻害薬 NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療 骨粗鬆症 脂質異常症 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症
エネルギー設定の仕方 3大栄養素の量と質 高齢者の食事療法 食欲に対するアプローチ 糖尿病性腎症の食事療法
糖尿病薬を処方する時に最低限注意するポイント(経口薬) GLP-1受容体作動薬 インスリン 糖尿病関連デジタルデバイス 骨粗鬆症治療薬 二次性高血圧 1型糖尿病のインスリンポンプとCGM

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料