2016年度の特定健診の実施率は51.4% 特定保健指導は18.8%で伸び悩み
2018.08.01
特定健康診査(特定健診)の実施率は、2016年度に51.4%となり、前年度に比べて1.3ポイント上昇し、年々向上しているが、国の掲げる全体の目標値である70%には届いていないことが、厚生労働省が発表した2016年度「特定健康診査・特定保健指導の実施状況」から明らかになった。特定保健指導の対象者となったのは17.0%、うち特定保健指導を終了した人の割合は18.8%だった。
特定健診の実施率は51.4%
特定健診の2016年度の実施状況をみると、対象者約5,360万人に対し受診者は約2,756万人で、実施率は51.4%だった。前年度に比べて1.3ポイント、実施初年度(2008年度)の38.9%に比べ12.5ポイント増加しており、着実に向上しているが、国の掲げる目標値「70%以上」には届いていない。 実施率を年齢階級別にみると、40~50歳代で56.5%と高く、60歳以上で50%未満と低くなる傾向がみられる。性別でみると男性が56.4%、女性が46.5%で男性の方が高く、女性では年齢による実施率に大きな差はみられなかった。特定保健指導の実施率は18.8%
2016度に特定健康診査を受けた人のうち、特定保健指導の対象者になったのは17.0%(約469万人)だった。対象者のうち特定保健指導を終了した人の割合は18.8%(約88万人)であり、前年度から1.3 ポイント増加した。国の掲げる目標値である45%から乖離がある。 実施率を年齢階級別にみると、40~44歳で15.6%ともっとも低く、45~64歳までは大きな差はないが、65歳以上で相対的に高くなっている。性別にみると、男性が18.9%、女性が18.3%だった。【特定保健指導の実施率目標】 市町村国保 60%以上、国保組合 30%以上、協会けんぽ 30%以上、単一健保 60%以上、総合健保 30%以上、共済組合 40%以上。
メタボ該当者と予備群の減少率は1.1%
特定健診受診者数に占めるメタボリックシンドローム該当者の割合の推移をみると、2016年度は25.8%で、2013年度以降は横ばいから微増の傾向がみられる。 メタボリックシンドローム該当者および予備群の減少率は1.1%であり、メタボリックシンドローム該当者および予備群はわずかに減少している。 特定健診受診者のうち高血圧症・糖尿病・脂質異常症の治療に係る薬剤のいずれか1種類以上の薬剤を服用している者の割合は28.1%で、2008年度から増加傾向にあったが、2013年度以降は横ばいで推移している。 メタボリックシンドロームの該当者および予備群のうち服薬している者の割合は49.7%で2008年度に比べて7.8ポイント減少している。特定保健指導の対象者は服薬していない者に限定されるので、特定保健指導に一定の効果があったと考えられる。 2016年度特定健康診査・特定保健指導の実施状況(厚生労働省 2018年7月30日)[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]