週1回投与の「セマグルチド」が優れたHbA1cの低下と体重減少示す 第3相試験

2017.08.24
 ノボ ノルディスク社は、「SUSTAIN7」試験の結果から、週1回投与のGLP-1アナログ「セマグルチド」で治療を受けた2型糖尿病患者で、優れたHbA1cの低下と体重減少が示されたことを発表した。

週1回投与の「セマグルチド」 第3b相試験の「SUSTAIN7」

 「セマグルチド」は、血糖値に応じてインスリンの分泌を促進させ、同時にグルカゴンの分泌を抑制し、かつ食欲を抑制し食物摂取量を減らす効果をもつ、週1回投与のヒトGLP-1アナログ。週1回投与のセマグルチドは、米国食品医薬品局、欧州医薬品庁、日本の医薬品医療機器総合機構を含む7つの規制当局によって現在審査されている。

 「SUSTAIN7」試験は、2型糖尿病患者1,201人を対象に、メトホルミン併用下でセマグルチド(0.5mgまたは1.0mg)、あるいはデュラグルチド(0.75mgまたは1.5mg)をそれぞれ週1回追加投与した時の有効性と安全性を、セマグルチド0.5mgとデュラグルチド0.75mg間、セマグルチド1.0mgとデュラグルチド1.5mg間で比較検討した第3b相、40週の試験。

 主要評価項目は、デュラグルチドと比較した、セマグルチド投与40週後のベースラインからのHbA1cの変化量だった。

HbA1cはセマグルチド0.5mg群で1.5%低下、1.0mg群では1.8%低下

 試験の結果、HbA1cは、ベースライン時の平均値8.2%から、セマグルチド0.5mg群で1.5%低下し、デュラグルチド0.75mg群の1.1%と比較して、統計学的に有意な改善が示された。

 また、HbA1cは、セマグルチド1.0mg群では1.8%低下し、デュラグルチド1.5mg群の1.4%と比較して、統計学的に有意な改善が示された。

 米国糖尿病学会(ADA)が定める血糖コントロール目標値「HbA1c7%未満」の達成率は、デュラグルチド0.75mg群の52%に対し、セマグルチド0.5mg群では69%。また、デュラグルチド1.5mg群の68%に対し、セマグルチド1.0mg群では79%だった。

 米国臨床内分泌学会(AACE)が定める治療目標「HbA1c6.5%以下」の達成率は、デュラグルチド0.75mg群の36%に対し、セマグルチド0.5mg群では51%。また、デュラグルチド1.5mg群の49%に対し、セマグルチド1.0mg群では68%だった。

体重はセマグルチド0.5mg群で4.6kg減少、1.0mg群では6.5kg減少

 また、ベースライン時の平均体重95kg、BMI(kg/m2)33.5からの体重減少量は、デュラグルチド0.75mg群で2.3kg減少したのに対し、セマグルチド0.5mg群では4.6kg減少し、統計学的に有意な体重減少を示した。

 また、デュラグルチド1.5mg群で3.0kg減少したのに対し、セマグルチド1.0mg群では6.5kg減少し、統計学的に有意な体重減少が示された。

 5%以上の体重減少が認められた被験者の割合は、デュラグルチド0.75mg群の23%に対し、セマグルチド0.5 mg群では44%だった。また、デュラグルチド1.5mg群の30%に対し、セマグルチド1.0mg群では63%だった。

 セマグルチドは本試験でも、SUSTAINプログラムから得られた結果と一貫した良好な安全性および忍容性を示した。セマグルチド両用量群に共通してもっともよくみられた有害事象は軽度から中等度の悪心で、この結果は概ねデュラグルチドと同様であり、時間の経過とともに減少した。

 有害事象が原因で投与を中止した被験者の割合は、すべての投与群で10%未満だった。糖尿病網膜症の有害事象としての報告例は少なく、セマグルチドとデュラグルチドの両群で同程度だった(それぞれ4件と5件)。

ノボ ノルディスク ファーマ

糖尿病・内分泌プラクティスWeb 糖尿病・内分泌医療の臨床現場をリードする電子ジャーナル

脂質異常症の食事療法のエビデンスと指導 高TG血症に対する治療介入を実践 見逃してはいけない家族性高コレステロール血症
SGLT2阻害薬を高齢者でどう使う 週1回インスリン製剤がもたらす変革 高齢1型糖尿病の治療 糖尿病治療と認知症予防 高齢者糖尿病のオンライン診療 高齢者糖尿病の支援サービス
GLP-1受容体作動薬の種類と使い分け インスリンの種類と使い方 糖尿病の経口薬で最低限注意するポイント 血糖推移をみる際のポイント~薬剤選択にどう生かすか~ 糖尿病関連デジタルデバイスの使い方 1型糖尿病の治療選択肢(インスリンポンプ・CGMなど) 二次性高血圧 低ナトリウム血症 妊娠中の甲状腺疾患 ステロイド薬の使い分け 下垂体機能検査
NAFLD/NASH 糖尿病と歯周病 肥満の外科治療-減量・代謝改善手術- 骨粗鬆症治療薬 脂質異常症の治療-コレステロール低下薬 がんと糖尿病 クッシング症候群 甲状腺結節 原発性アルドステロン症 FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症 褐色細胞腫

医薬品・医療機器・検査機器

糖尿病診療・療養指導で使用される製品を一覧で掲載。情報収集・整理にお役立てください。

一覧はこちら

最新ニュース記事

よく読まれている記事

関連情報・資料