DPP-4阻害剤とSGLT2阻害剤の最初の配合剤「QTERN」 欧州で承認
2016.07.28
アストラゼネカは、DPP-4阻害剤「サキサグリプチン」とSGLT2阻害剤「ダパグリフロジン」の配合剤である2型糖尿病治療薬「Qtern錠」に対して、EU加盟国全28ヵ国ならびにアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェイで承認を取得したと発表した。同剤は、欧州で承認された最初のDPP-4阻害剤とSGLT2阻害剤の配合剤となる。
Qternは、DPP-4阻害剤サキサグリプチンと、SGLT2阻害剤ダパグリフロジンの固定用量配合剤。18歳以上の2型糖尿病患者で、メトホルミンおよび・またはスルホニル尿素剤の治療にサキサグリプチンまたはダパグリフロジンが併用されているにも関わらず十分な血糖コントロールが得られない場合の改善、もしくは患者がすでにサキサグリプチンとダパグリフロジンの併用治療を受けている場合の投与を適応としている。
今回の承認は、欧州医薬品庁に提出された2型糖尿病における3つの試験の結果に基づいたもの。2つの試験では、Qternとメトホルミンの併用がプラセボ群に比べて有意なHbA1cの低下を示した。別の試験では、Qternとメトホルミンの併用が、サキサグリプチンあるいはダパグリフロジン単剤それぞれとメトホルミンの併用に比べて、有意なHbA1cの低下を示した。
また、これらの試験におけるQternの安全性プロファイルはサキサグリプチンおよびダパグリフロジンで既に知られている安全性プロファイルと同様だった。
DPP-4阻害剤「サキサグリプチン」(製品名:オングリザ) は、日本では協和発酵キリンが製造販売元となっている。また、SGLT2阻害剤「ダパグリフロジン」(製品名:フォシーガ)は、日本ではアストラゼネカが製造販売元として小野薬品工業とのコ・プロ契約により販売を行っている。なお、現時点ではQternは日本では開発していない。
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]