高精度・高速のHbA1c測定装置を発売 変異ヘモグロビンも検出可能
2016.07.28
アークレイは、グリコヘモグロビン分析装置「アダムス A1c ライト HA-8380V」を7月15日に発売した。HPLC法を用いて、HbA1cの測定と変異ヘモグロビンを高精度に検出できるのが特徴。
糖尿病検査の新たなニーズに対応
「アダムス A1c ライト HA-8380V」は、コンパクト設計のHbA1c分析装置。HPLC法によるHbA1cの高精度測定に加え、変異ヘモグロビンを分離(検出)する機能を有する。 従来のADAMSシリーズがもつ、HPLC法によるHbA1cの高精度測定をベースとしており、HbA1cの測定から変異ヘモグロビンの検出までを高い精度で実施できる。 測定結果には各ピークの情報やクロマトグラムなど、分画されたヘモグロビンの解析結果が出力され、結果判定に役立てられる。また、NGSP値のほかIFCC値の出力も可能だ。 高精度、高速であり、日本糖尿病学会が推奨する標準法であるHPLC法は、多くの成分からなる混合物を分離し各物質の比率を求める方法。カラムによる成分分離は、試料成分に対する相互作用の違いを利用して行われる。 「アダムス A1c ライト HA-8380V」はカラムとプレフィルタを一体化しており、プレフィルタの交換が不要だ。工具をほとんど使うことなく簡単に消耗品の交換ができる。 検体をラックにセットしてスタートボタンを押すだけの簡単な操作で測定できる。 コンパクト設計により、上位機種と比較し、約40%の省スペース化を実現した。 また、ゴムキャップ付採血管をそのままセットできるキャップピアス方式を採用。測定操作をされる医療従事者の感染予防に貢献する。 「Variant mode」では、HbA1cとHbFの測定に加え、変異ヘモグロビンであるHbSとHbCの検出を160秒で実施できる。また、変異ヘモグロビンの検出が不要な場合は、HbA1cを100秒で測定できる「Fast mode」に切り替えることにより、効率的に検査を行うことができる。 変異ヘモグロビンとは赤血球にあるヘモグロビンの遺伝子配列の点突然変異や、塩基配列の付加・脱離が起こることによって、アミノ酸の置き換わりが生じたもの。 グローバル化が進む中、日本でも変異ヘモ グロビンをもつ在日外国人が医療機関に受診するケースが増えてきている。 「アダムス A1c ライト HA-8380V」は、2015年から変異ヘモグロビンをもつ患者の多い海外で先行販売していたが、こうした背景をふまえ日本国内でも発売することになった。 これにより、大型の上位機種「アダムスA1c HA-8180V」ともにシリーズ2機種で変異ヘモグロビンの検出が可能となった。名称 | アダムス A1c ライト HA-8380V |
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測定対象 | 全血または溶血検体 |
測定項目 | HbA1c(ステイブルHbA1c)、HbF (Variant modeではHbS、HbCを検出可能) |
測定原理 | HPLC法 |
測定範囲 | HbA1c: 3~20%(NGSP値)、9~195mmol/mol(IFCC値) HbF: 0~100% |
検体消費量 | 全血検体:約4μL、貧血検体:約8μL、溶血検体:約350μL |
処理速度 | Fast mode:100秒/検体、Variant mode:160秒/検体 |
外形寸法 | 330(幅)×515(奥行)×485(高さ)mm ※突起部、溶離液パック、溶血洗浄液ボトルを除く |
重量 | 約35kg |
販売価格 | 希望納入価格2,800,000円(税別) |
クラス分類 | クラスI(一般医療機器)/ 特定保守管理医療機器 |
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]