「エクメット配合錠」発売 国内初のDPP-4阻害薬とビグアナイド薬の配合剤
2015.11.27
ノバルティス ファーマは11月26日、DPP-4阻害薬であるビルダグリプチン(製品名:エクア錠)と、ビグアナイド薬であるメトホルミン塩酸塩を配合した2型糖尿病治療薬「エクメット配合錠 LD、HD」を発売した。
DPP-4阻害薬とビグアナイド薬の配合剤 メトホルミンの高用量処方にも対応
2型糖尿病の治療に用いられる経口血糖降下薬のクラスは現在7種類あり、いずれも第一選択薬として使用されているが、これらの単独投与で血糖値のコントロールが十分に得られない場合は、増量や作用機序の異なる血糖降下薬の併用療法が推奨されている。 「エクメット」はDPP-4阻害薬とメトホルミンの組み合わせとして国内で初めての配合剤。「エクメット」はビルダグリプチンおよびメトホルミンの併用による治療が適切と判断される場合に使用可能で、1日2回投与の製剤として、LD(ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩として50mg/250mg)とHD(ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩として50mg/500mg)の2規格がある。 HDではメトホルミンの1日投与量が1000mgとなるため、メトホルミンの高用量処方のニーズにも対応することが可能だ。また「エクメット」の1錠薬価はビルダグリプチン単剤と同じ87.70円であり、経済的にもメリットがある。 また同剤は実質的に既収載品によって1年以上の臨床使用経験があると認められた配合剤であり、14日間の処方制限がない新医薬品となる。 国内で実施された臨床試験において、メトホルミンの単独投与で効果不十分な患者を対象にビルダグリプチンを12週間併用投与したところ、HbA1cの投与前からの変化量は-1.1%だった。また、ビルダグリプチンの単独投与で効果不十分な患者を対象に「エクメット」を14週間投与したところ、HbA1cの投与前からの変化量はLDで-0.6%、HDで-1.0%であり、いずれの臨床試験においても良好なHbA1cの低下が認められた。 ビルダグリプチンおよびメトホルミンを投与された241例中、48例(19.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は便秘7例(2.9%)、アミラーゼ増加6例(2.5%)、下痢5例(2.1%)、悪心4例(1.7%)などだった。
エクメット配合錠
製品名 |
「エクメット配合錠LD」 「エクメット配合錠HD」 |
一般名 | ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩 |
成分・含量 |
「エクメット配合錠LD」:1錠中ビルダグリプチン50mg及びメトホルミン塩酸塩(日局)250mgを含有する。 「エクメット配合錠HD」:1錠中ビルダグリプチン50mg及びメトホルミン塩酸塩(日局)500mgを含有する。 |
効能又は効果 | 2型糖尿病〔ただし、ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る。〕 |
用法及び用量 | 通常、成人には1回1錠(ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩として50mg/250mg又は50mg/500mg)を1日2回朝、夕に経口投与する。 |
承認取得日 | 2015年9月28日 |
2015年11月26日 | |
薬価 |
「エクメット配合錠LD」:87.70円 「エクメット配合錠HD」:87.70円 |
発売日 | 2015年11月26日 |
製造販売 | ノバルティス ファーマ株式会社 |
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]