世界糖尿病デー 増え続ける糖尿病 糖尿病人口が4億人を突破
2015.11.13
国際糖尿病連合(IDF)は、11月14日の世界糖尿病デーに合わせて、世界の糖尿病に関する最新の調査をまとめた「糖尿病アトラス 第7版 2015」(Diabetes Atlas 2015)を発表した。
世界の糖尿病人口は爆発的に増え続けており、2015年現在で糖尿病有病者数は4億1,500万人に上ることが判明した。
国際糖尿病連合(IDF)の発表によると、世界の糖尿病人口は爆発的に増え続けており、2015年現在で糖尿病有病者数は4億1,500万人に上り、昨年より2,830万人増えた。有効な対策を施さないと、2040年までに6億4,200万人に増加すると予測している。
2015年の20~79歳の成人の糖尿病有病率は8.8%で、11人に1人が糖尿病有病者と推定されている。
糖尿病関連の医療費は約81兆円(6,730億ドル)で、世界の主な国で全医療費の5~20%を占めている。糖尿病の医療費は2040年までに約96兆円(8,020億ドル)に増える予測されている。
世界の糖尿病人口は4億人を突破
日本は糖尿病の世界ランキングの9位
世界の2人に1人が糖尿病の診断を受けていない
毎年8万6,000人が1型糖尿病を発症
糖尿病は大きく「1型糖尿病」「2型糖尿病」「妊娠糖尿病」に大きくタイプが分かれる。2型糖尿病がもっとも多く、高所得の国では91%を占めている。
毎年、8万6,000人の子供が1型糖尿病を発症しており、発症数は毎年3%ずつ増加している。世界の小児1型糖尿病(0~14歳)の患者数は54万2,000人に上る。
1型糖尿病患者が生き続けるためにインスリンが不可欠だが、途上国ではインスリンは不足している。IDFは「ライフ フォー ア チャイルド」というプログラムを展開しており、これまで46ヵ国の1万7,000人の子供にインスリンを提供してきた。
「糖尿病アトラス 2015」の主な内容は次の通り――
・ 糖尿病(1型糖尿病、2型糖尿病)とともに生きる患者に質の高い医療サービスを提供すると同時に、2型糖尿病の予防を促すための対策を優先して推し進める政策が世界規模で求められている。
・ 糖尿病が原因となり死亡する人の数は年間500万人。糖尿病と糖尿病合併症はほとんどの国で死亡原因の上位を占めている。
・ 糖尿病に対する「豊かな先進国に多い病気」というイメージは誤りだ。糖尿病有病者の4分の3は低・中所得の国に集中している。
世界糖尿病連合(IDF)
糖尿病はコントロールできる病気
2型糖尿病は40~59歳の働き盛りの世代で爆発的に増加している。 11月14日の世界糖尿病デーには、「糖尿病はコントロールできる病気であり、適切な治療を続けていれば合併症を予防できる」と呼びかけられている。 世界保健機関(WHO)は、不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒などの原因が共通しており、生活習慣の改善により予防可能な疾患をまとめて「非感染性疾患(NCD)」と位置付けている。 2013年にジュネーブで開催された第66回WHO総会では、NCDの予防と管理のための新たな行動計画(2013~2020年)が、満場一致で採択された。 具体的な目標として、「NCDによる早期の死亡の減少」「運動不足の解消」「有害な喫煙や飲酒の抑制」「必要な医薬品を入手できるように社会整備を進める」などが掲げられている。 世界糖尿病デーのキャンペーンは毎年11月14日に、国際糖尿病連合(IDF)と加盟組織が主導し、170ヵ国以上の230以上の関連団体により執り行われている。 世界糖尿病デーは、糖尿病の脅威が世界的に拡大しているのを受け、1991年に国際糖尿病連合と世界保健機関(WHO)により制定された。世界糖尿病デーは2007年に国連決議で採択され、正式な国連デーとなった。 IDF糖尿病アトラス(Diabetes Atlas)世界糖尿病連合(IDF)
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]