1日1回投与の基礎インスリン製剤「Toujeo」 FDAの承認を取得
2015.03.09
サノフィは、1型および2型糖尿病の成人患者の血糖コントロールを改善する1日1回投与の持効型溶解インスリン「Toujeo®」(一般名:インスリン グラルギン[遺伝子組換え]注射剤、300 U/mL)について、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したと発表した。
「Toujeo®」は、1型および2型糖尿病の成人患者の血糖をコントロールする治療薬として使用される持効型溶解インスリン製剤。血糖値を下げるために、毎日同じ時刻に1回投与する。現在、欧州医薬品庁(EMA)をはじめ、世界各地の保健当局の販売承認を待っている状態だ。
同剤は、薬剤充填済みのディスポーザブル型ペン型注入器(450単位入り)の「Toujeo SoloSTAR®」として販売される予定で、「Lantus SoloSTAR®」と同じ単位数のインスリンを投与するのに必要な注入液量は、3分の1となっている。1回の最大注入用量は80単位であり、米国で基礎インスリンを使用している大部分の患者(1日80単位以下)のニーズに適合している。
今回のFDAの承認は、1型および2型糖尿病の成人患者3,500人以上を対象に、同剤の有効性と安全性を評価した一連の国際共同第3相試験から構成された「EDITION臨床試験プログラム」の結果に対する審査にもとづき行われた。
この臨床試験プログラムでは、最長26週間のオープンラベルランダム化実薬対照並行群間treat to target試験およびその後6ヵ月間の安全性を確認するための継続投与試験において、1日1回投与の「Toujeo®」を1日1回投与の「ランタス」(一般名:インスリン グラルギン[遺伝子組換え] 注射剤、100 U/mL)と比較し評価した。
すべての試験で「Toujeo®」はランタスと同等の血糖コントロールを示し、主要評価項目が達成された。もっとも多く報告された低血糖症を除く有害事象は、鼻咽頭炎(1型糖尿病例で12.8%、2型糖尿病例で7.1%)と上気道感染症(1型糖尿病例で9.5%、2型糖尿病例で5.7%)だった。
「糖尿病患者の半数近くは、血糖コントロールの目標を達成できていない。インスリンの有効性は実証されているにもかかわらず、低血糖を引き起こす懸念があることから、効果的なインスリン投与量の調節は、患者さんにとっても医療従事者にとっても難しい課題だ。Toujeo®は、糖尿病治療に新たな選択肢をもたらす」と、米国糖尿病学会(ADA)の元会長であり、フリスト クリニックの内科・糖尿病専門医であるジョン アンダーソン博士(MD)は述べている。
サノフィ
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]