インスリン注入器の取違えに注意喚起 日本医療機能評価機構
2014.11.26
日本医療機能評価機構は、入院中の患者にインスリン注入器を用いてインスリンを投与する時に、患者名の記載が不十分、または氏名の記載がなかったため、別の患者の注入器と取り違えた事例を「医療安全情報」で報告し、関係者に注意喚起した。
インスリン注入器を用いて患者にインスリンを投与する時に、別の患者の注入器と取り違えた事例は以下の2件――
事例1
患者Aに「ヒューマログ注カート」3単位を皮下注射する指示が出ていた。看護師Xは注射伝票で指示を確認後、インスリン注入器を確認したところ、患者Aの氏名が書かれたキャップの本体に「ヒューマログミックス50注カート」のカートリッジが付いていた。指示とは違うインスリンであったため、指示受けをした看護師Yに確認した上で、患者Aに皮下注射した。実際には複数の患者のインスリン注入器をまとめて保管していた際に、患者Aと患者Bのインスリン注入器のキャップが入れ替わっていた。
患者Aに「ヒューマログ注カート」3単位を皮下注射する指示が出ていた。看護師Xは注射伝票で指示を確認後、インスリン注入器を確認したところ、患者Aの氏名が書かれたキャップの本体に「ヒューマログミックス50注カート」のカートリッジが付いていた。指示とは違うインスリンであったため、指示受けをした看護師Yに確認した上で、患者Aに皮下注射した。実際には複数の患者のインスリン注入器をまとめて保管していた際に、患者Aと患者Bのインスリン注入器のキャップが入れ替わっていた。
事例2
夜、患者Aに翌朝から「ノボラピッド注フレックスペン」を注射する指示を、夜勤看護師Xが受けた。未使用の注入器は伝票と一緒に輪ゴムで止めて保管することになっており、氏名のシールを注入器に貼付せずそのまま保管した。患者Bの「ノボラピッド注フレックスペン」は、インスリン注入器に患者名のシールを貼付せず、患者Bの薬袋に入れて保管していた。当日の朝、看護師Xは血糖値の測定後、患者氏名のない製剤を患者Aのものと思い込み使用したが、その後、日勤看護師Yが、患者Aのノボラピッド注フレックスペンが使用された形跡がないことに気づき、誤って患者Bの製剤を使用したことが分かった。
同機構は、それぞれの医療機関で、次の対策がとられたことを紹介した。
夜、患者Aに翌朝から「ノボラピッド注フレックスペン」を注射する指示を、夜勤看護師Xが受けた。未使用の注入器は伝票と一緒に輪ゴムで止めて保管することになっており、氏名のシールを注入器に貼付せずそのまま保管した。患者Bの「ノボラピッド注フレックスペン」は、インスリン注入器に患者名のシールを貼付せず、患者Bの薬袋に入れて保管していた。当日の朝、看護師Xは血糖値の測定後、患者氏名のない製剤を患者Aのものと思い込み使用したが、その後、日勤看護師Yが、患者Aのノボラピッド注フレックスペンが使用された形跡がないことに気づき、誤って患者Bの製剤を使用したことが分かった。
事例が発生した医療機関の取り組み
・キャップをはずしても患者名がわかるよう、インスリン注入器の本体に、患者の氏名を記載する。
・投与前に、患者氏名、患者のインスリン注入器、注射指示書を必ず確認する。
日本医療機能評価機構 医療安全情報集
・キャップをはずしても患者名がわかるよう、インスリン注入器の本体に、患者の氏名を記載する。
・投与前に、患者氏名、患者のインスリン注入器、注射指示書を必ず確認する。
[dm-rg.net / 日本医療・健康情報研究所]