日本初のパーソナルCGM搭載「ミニメド620Gインスリンポンプ」 血糖変動を患者自らが随時確認
2014.11.14
日本メドトロニックは、日本初となる患者がリアルタイムでグルコース値の変動を視認できる「パーソナルCGM」(持続グルコース測定)を搭載した「ミニメド 620G インスリンポンプ」を、12月22日に発売すると発表した。(*)
インスリンポンプに「パーソナルCGM」機能を搭載したシステムは「SAP」(パーソナルCGM機能搭載インスリンポンプ)と呼ばれ、血糖変動を患者自らが随時確認できることが特徴となる。SAPは、患者自身による更なる適切なインスリン量調整の一助となるため、高血糖と低血糖リスクの低減が期待される。
「ミニメド 620G インスリンポンプ」は、日本語表示とカラー画面を導入し、少ないボタン操作で使用可能なナビゲーションメニューを搭載。患者各自の症状にあわせ設定するインスリンの基礎レートとボーラス最少注入単位が0.025単位からと細かく調節できるため、多くの患者を安全で最適な血糖コントロール実現に導く一助となる。
さらに、CGMトランスミッタ(送信器)と通信することにより、パーソナルCGMとしても使用することができる。毎日のCGMグラフや血糖値の平均値、アラームの発生回数を最大3ヵ月記録することができるほか、5分間毎にグルコース濃度を測定することで、SMBG(血糖自己測定)やHbA1cでは把握が難しいグルコース濃度の推移(変動)をより的確に把握することが可能となる。
測定が困難な早朝や夜間の時間帯における大きな血糖変動や自覚症状のない低血糖状態などを見出すことが可能になり、意思表示が難しいため血糖値の状態を把握しにくい小児の患者でも、保護者がより安心して血糖管理を行うことができるようになる。
ライフ・エクステンション研究所付属永寿総合病院 糖尿病臨床研究センターセンター長の渥美義仁氏「インスリンポンプに日本語表示やさまざまな機能が加わったことで、より多くの糖尿病患者が安心してインスリンポンプ治療を行うことが期待できる。また、低血糖を抑制しながら、よりよいHbA1cを見込むことができるパーソナルCGMは、今までの糖尿病治療のジレンマを解決できる可能性を秘めている」と述べている。
* 日本メドトロニックは12月19日、「ミニメド620Gインスリンポンプ」の発売日を12月22日から延期すると発表した。理由は、全国への安定供給を確保する体制を整えるためとしている。(12月19日更新)
【ミニメド 620G システム 主な特長】
日本メドトロニック
●ミニメド 620G インスリンポンプ |
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日本最少単位でのインスリン注入設定が可能 基礎レート0.025単位/h、ボーラス0.025単位から設定できるようになり、小児患者にもよりきめ細やかで適切な血糖コントロールが可能に ボーラススピードの選択が可能 標準1.5単位/分と急速15単位/分より選択可能 使用頻度の高い設定が保存できる「プリセット設定」 プリセット一時基礎レートは15分刻みで最大8種類まで、プリセットボーラスは最大8種類まで設定可能 高/低アラート・予測アラート・速度アラートを使い分けることにより、高血糖や低血糖状態のお知らせができ、血糖コントロールの改善をサポート |
●CGMトランスミッタとエンライトセンサ |
5分間毎のグルコース濃度測定を実施 インスリンポンプのモニタ画面上に、グラフやグルコース値の変動スピードを矢印の向きと本数により分かりやすく表示 CGMトランスミッタでは、最大10時間のデータ記録が可能 |
●ケアリンクプロとケアリンクUSB |
CGMとインスリンポンプが持つデータを統合的に解析し、個々の患者の治療最適化に必要な情報を医療従事者が効率良く得ることが可能 ケアリンクUSBを用いて、インスリンポンプからデータを無線受信 |
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]