糖尿病合併症 最前線「糖尿病重症下肢虚血への集学的アプローチ」
糖尿病情報スクランブル「糖尿病合併症 最前線」を更新しました。
インタビュー
「糖尿病重症下肢虚血への集学的アプローチ」
平野敬典 先生(済生会横浜市東部病院フットケア外来循環器 内科医長)
重症下肢虚血に至る患者の大半は糖尿病であるという事実が
より広く認知されるべき
──重症下肢虚血の基礎疾患として、糖尿病はどの程度、影響しているのでしょうか?
平野先生 我々の施設も含めて国内11 施設が参加し、膝下動脈病変による重症下肢虚血(CLI)例、約1,000 肢に対する血管内治療(EVT)の予後を追跡したJBEAT 研究では、その7 割が糖尿病を有していました。また、我々のフットケア外来に紹介されてくる患者さんの9 割近くが糖尿病の方です。実際のところ日常診療において「CLI のほとんどは糖尿病である」というのが実感です。これは我々だけでなく、CLI 治療に携わる医師の共通認識ではないでしょうか。
糖尿病患者数の増加が続いていますから、今後はさらに糖尿病CLIの増加に拍車がかかると考えられます。しかし、CLI 患者の大半が糖尿病であるという事実が糖尿病領域でどの程度認識されているのか疑問です。PADに関する世界的なガイドラインであるTASC Ⅱには、潰瘍のあるすべての糖尿病患者はCLI を疑い精査すべきと書かれており、この推奨は我々のようなCLIの臨床にいる医師の感覚と一致しています。初めから結論を言うようですが、糖尿病が増えている今、糖尿病を診ておられる先生方に、血管を積極的に診ていただくことがCLI治療のスタートになると思います。続きはこちら ▶
糖尿病合併症 最前線とは?
「糖尿病合併症 最前線」は、腎症、網膜症、神経障害など、急増する糖尿病合併症について、 最新の話題を交えた各分野の専門家たちによる解説、インタビューなどを掲載しています。