米国で180種類の糖尿病治療薬を開発中 臨床試験200件が進行中
2014.02.28
米国研究製薬工業協会(PhRMA)は、米国における糖尿病治療薬開発に関する最新報告書「2014 REPORT: Medicines in Development For Diabetes」を発表した。
同協会に加盟する米国のバイオ医薬品研究企業は、現在180種類の糖尿病治療薬を開発中で、すべてが臨床試験の過程にあるか、米国食品医薬品局(FDA)で審査中だ。開発中の新薬の内訳は、1型糖尿病新薬が30種、2型糖尿病用が100種、糖尿病関連疾患用が52種となっている。
開発中の新薬には次のような糖尿病治療薬が含まれる
・2型糖尿病のグルコース依存性インスリン分泌を改善する医薬品。
・糖尿病性神経障害に関与する酵素の抑制を目的とした医薬品。
・1型糖尿病のインスリン産生細胞の再生を促進および強化することを目的とした治療法。
糖尿病新薬の発見と開発の最大の難関の一つは、糖尿病を誘発する可能性が高い生物学的標的を特定し、検証することだ。国立衛生研究所(NIH)、バイオ医薬品研究企業10社、PhRMA、複数の非営利糖尿病財団などにより新たに創設された「パブリック・プライベート・パートナーシップ」は、特定疾患の新しい診断法や治療法開発を目的とした現行モデルの変革を目指している。さらに、医薬品開発加速パートナーシップ(AMP)が、糖尿病などの三大疾患に重点を置いた3年から5年がかりのパイロット・プロジェクトを立ち上げることになっている。
米国内で診断された糖尿病の推定医療費は2012年単独で、直接医療費は17兆9,340億円(1,760億ドル)、生産性減少分は7兆310億円(690億ドル)で、総計は24兆9,660億円(2,450億ドル)に上る。米国糖尿病学会(ADA)によると、2007年の推定額は17兆7,310億円(1,740億ドル)で、糖尿病の医療費は5年間で41%上昇した。
医薬品の服薬アドヒアランスが改善されれば、糖尿病に関連する財政的負担が低減し、医療効果を高めることができるようになる。最近の研究では、糖尿病患者が糖尿病の処方レジメンをきちんと順守すれば、全医療費が有意に減少し、救急外来の受診数や入院日数が減少することが示されている。
Nearly 200 New Medicines in Development for Diabetes(米国研究製薬工業協会 2014年2月11日)
・2型糖尿病のグルコース依存性インスリン分泌を改善する医薬品。
・糖尿病性神経障害に関与する酵素の抑制を目的とした医薬品。
・1型糖尿病のインスリン産生細胞の再生を促進および強化することを目的とした治療法。

[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]