ライゾデグ配合注は空腹時血糖値を改善 低血糖頻度も低い
2013.12.24
「ライゾデグ配合注」(一般名:インスリン デグルデク/インスリン アスパルト)1日2回投与による2型糖尿病治療は、主要評価項目であるHbA1cのベースラインからの変化量について、対照薬である「ノボラピッド30ミックス注」1日2回投与による治療に対する非劣性が検証され、空腹時血糖値は対照薬と比べて有意に改善したことを示す試験結果が、メルボルンで12月に開催された国際糖尿病連合(IDF)の世界糖尿病会議で発表された。
ライゾデグ配合注は、2種類の異なるインスリンアナログを配合した溶解インスリン製剤で、24時間を超えて基礎分泌を補充する持効型溶解インスリン(インスリン デグルデク)と食後の追加分泌を補充する超速効型インスリン(インスリン アスパルト)が7対3の割合で配合されている。 同試験は、前治療に混合型インスリンの1日1回または2回投与を受けていた成人2型糖尿病患者446名を対象として、ライゾデグ配合注とノボラピッド30ミックス注26週投与の有効性と安全性を比較することを目的とした非盲検、無作為割り付け、並行群間比較、Treat to Target試験。経口血糖降下薬の併用下/非併用下でライゾデグ配合注またはノボラピッド30ミックス注を1日2回投与した。 主要評価項目であるHbA1cのベースラインからの変化量に関して、ライゾデグ配合注のノボラピッド30ミックス注に対する非劣性が検証された。
・空腹時血糖値のベースラインからの低下量は、ライゾデグ配合注群で有意に大きかった。治療群間差は-20.5 mg/dL(95%CI、p<0.001)。
・投与後26週時の平均1日総インスリン投与量は、ノボラピッド30ミックス注群と比較してライゾデグ配合注群で11%少なくなった。1.08単位/kg vs 1.20単位/kg、投与量の比の推定値は0.89(95%CI、p=0.002)。 すべての低血糖(血糖値56mg/dL未満および第三者による処置が必要な低血糖と定義)および夜間低血糖(すべての低血糖のうち午前0時01分~午前5時59分に発現したもの)の発現頻度はライゾデグ配合注群では、ノボラピッド30ミックス注群と比較して有意に少なく、維持期間では重大な低血糖の発現頻度も有意に少なかった。
・すべての低血糖の患者あたりの年間発現件数は、ノボラピッド30ミックス注群と比較してライゾデグ配合注群で32%減少した。9.7件/患者・年 vs 14.0件/患者・年、患者あたりの年間発現件数の比の推定値は0.68(95% CI、p=0.0049)。
・夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数は、ノボラピッド30ミックス注群と比較してライゾデグ配合注群で73%減少した。0.7件/患者・年 vs 2.5件/患者・年、患者あたりの年間発現件数の比の推定値は0.27(95% CI、p<0.0001)。
・重大な低血糖の患者あたりの年間発現件数はノボラピッド30ミックス注群と比較してライゾデグ配合注群で少なかった。0.09件/患者・年 vs 0.25件/患者・年、患者あたりの年間発現件数の比の推定値は0.50(95% CI、ns)。
・維持期間(16週目以降と定義)において、ライゾデグ配合注とノボラピッド30ミックス注を比較した場合、群間の比についてすべて有意差が認められた。すべての低血糖の患者あたりの年間発現件数の比の推定値は0.61(95% CI、p=0.0015)。夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数の比の推定値は0.23(95% CI、p<0.0001)、重大な低血糖の患者あたりの年間発現件数の比の推定値は0.11(95% CI、p=0.04)。
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]