持効型溶解型と超速効型を配合した「ライゾデグ配合注」 投与直後のピークと長時間の安定を確認
2013.10.29
「ライゾデグ配合注」(一般名:インスリン デグルデク/インスリン アスパルト)の第1相試験および第3相試験の結果が、9月に開催された「第49回欧州糖尿病学会年次学術集会」で発表された。

「ライゾデグ」は、持効型溶解型インスリン「トレシーバ」(インスリン デグルデク)と超速効型インスリン「ノボラピッド」(インスリン アスパルト)が7:3の比で配合された配合剤。1日1~2回の皮下注射により、空腹時および食後血糖値の両方を改善する。1日1回投与のときは、主たる食事の直前に投与し、1日2回投与のときは、朝食直前と夕食直前に投与する。 1つめの試験は、定常状態におけるライゾデグ配合注の薬力学的作用の特性について検討したもので、1型糖尿病患者22名が参加した。インスリン デグルデクを5日間1日1回反復投与し、インスリン デグルデクの血中濃度を定常状態に到達させてから、6日目にライゾデグ配合注0.6単位/kg(デグルデク0.42単位、アスパルト0.18単位に相当)を単回投与し、正常血糖グルコースクランプ法により評価した。 その結果、定常状態におけるライゾデグ配合注のグルコース注入速度は、インスリン アスパルト画分の作用により速やかに増加し、投与2.5時間後に最大値に到達した。その後はインスリン デグルデク画分の作用により平坦なプロファイルを示し、その作用はグルコースクランプ施行時間である30時間を超えて維持された。ライゾデグ配合注の単回投与後、インスリン アスパルト画分とインスリン デグルデク画分の作用がそれぞれ独立して発揮されることが確認された。 2つめの試験は、無作為割り付け、非盲検、Treat to Target、並行群間比較試験で、424名が参加した。メトホルミン併用または非併用下において基礎インスリンまたは混合型インスリンの1日1~2回投与による治療でコントロール不良であったアジア(日本、香港、マレーシア、韓国、台湾)の2型糖尿病患者を対象として、ライゾデグ配合注またはノボラピッド30ミックス注を1日2回、26週間投与した(メトホルミンの投与は前治療と同様)。 その結果、HbA1cのベースラインからの低下量についてライゾデグ配合注のノボラピッド30ミックス注に対する非劣性が検証された。HbA1cの平均はベースラインではいずれの群でも8.4%で、26週後ではライゾデグ配合注群 7.1%、ノボラピッド30ミックス注群 7.0%、治療群間差(95% CI)は0.05%(-0.10; 0.20)だった。 空腹時血糖値のベースラインからの低下量はライゾデグ配合注群で有意に多かった。空腹時血糖値の平均はベースラインではいずれの群でも142.4 mg/dLで、26週後ではライゾデグ配合注群97.3 mg/dL、ノボラピッド30ミックス注群117.1 mg/dLで、治療群間差(95% CI)は-19.1mg/dL(-25.8; -12.6)だった。 すべての低血糖の発現頻度は両群で同様で、患者あたりの年間発現件数はライゾデグ配合注群で9.6件/患者・年、ノボラピッド30ミックス注群で9.5件/患者・年だった。患者あたりの年間発現件数の比の推定値(95%CI)は1.00(0.76;1.32)となった。 また、夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数はノボラピッド30ミックス注群と比べてライゾデグ配合注群で33%少なかったが、有意差は認められなかった。患者あたりの年間発現件数の比の推定値(95% CI)は0.67(0.43; 1.06)だった。重大な低血糖の患者あたりの年間発現件数は、両群ともに少なく、ライゾデグ配合注群で0.05件/患者・年、ノボラピッド30ミックス注群で0.03件/患者・年となっている。
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]