基礎インスリンとの併用が可能なGLP-1受容体作動薬「リキスミア」
2013.06.28
サノフィは、1日1回投与のGLP-1受容体作動薬「リキスミア」(一般名:リキシセナチド)の承認を取得したと発表した。「リキスミア」は、日本初の基礎インスリンとの併用が可能なGLP-1受容体作動薬だ。
GLP-1は、膵臓α細胞からのグルカゴン分泌を抑制し、血糖値に依存し膵臓β細胞からのインスリン分泌を促進する。GLP-1受容体作動薬には、「HbA1cの改善」、「食後高血糖の改善」、「低血糖のリスクを上げない」、「体重増加の抑制」などの効果が期待されている。
一方、持効型溶解インスリンは、不足している基礎インスリン分泌を補充し、空腹時血糖値の上昇を抑え血糖値の変動幅を抑える効果を発揮する。しかし、空腹時血糖が良好にコントロールできていても、食後血糖値が上昇するとHbA1cの目標値が維持できなくなる。
食後血糖値の改善を目指したGLP-1受容体作動薬である「リキスミア」を基礎インスリンに併用する治療法は、血糖値をさらに下げ、HbA1cの目標を達成するために有効となる。同社では、リキスミアを、基礎インスリン療法を補う併用薬として使える、世界初の「Prandial(プランディアル)」GLP-1受容体作動薬と位置づけている。
今回の承認取得は、国際的に実施された「GetGoal臨床試験プログラム」の結果にもとづいている。同プログラムでは、5,000人以上の2型糖尿病患者を対象とした11件の臨床試験が実施された。第3相臨床試験のひとつである「GetGoal-L-Asia試験」では、日本から159名の患者が参加した。
「リキスミア」は現在、メキシコ、欧州、オーストラリア、日本で承認を取得している。米国では現在承認審査中。
リキスミアの適応症:
食事療法、運動療法に加えてスルホニル尿素薬(ビグアナイド薬との併用を含む)を使用する治療、または食事療法、運動療法に加えて持効型溶解インスリン製剤または中間型インスリン(スルホニル尿素薬との併用を含む)を使用する治療で十分な効果が得られない場合の2型糖尿病。
サノフィ[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]