高齢者の生活習慣病がさらに増加 2011年患者調査
2012.12.03
厚生労働省の「患者調査」で、65歳以上の高齢者の1日当たりの推計入院患者数は2011年に91万4,900人となり、2008年の前回調査から2%減ったことが分かった。一方で高齢者の外来患者は10%増の332万9,900人となり過去最多だった。入院から外来や在宅医療への移行している現状が鮮明に示された。
入院患者の減少と外来患者の増加について、厚労省は「新薬開発や医療技術の向上を背景に、通院治療が可能な疾患が増えていることなどが挙げられる」と説明。高齢化社会を受け、入院患者を抑えて在宅医療を促す同省の政策も影響したとみられる。
糖尿病患者数は32万9000人増の270万人
「患者調査」は3年に1度、全国で実施されている。2011年調査の調査期間は、2011年10月のうちの3日間。抽出した病院6,428、一般診療所5,738、歯科診療所1,257で、入院・外来患者約233万5,000人の情報を集めた。今回は対象地域から、福島県と、宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏を除いた。 推計患者数は入院が134万1,000人(病院129万100人、診療所5万900人)、外来が726万500人(病院165万9,200人、診療所423万8,800人)だった。うち65歳以上が占める割合は、入院が68.2%、外来が45.8%で、75歳以上が占める割合は、入院が49.3%、外来が25.2%となっている。 主な疾患の総患者数は、▽「高血圧性疾患」906万7,000人、▽「糖尿病」270万人、▽「高脂血症」188万6,000人、▽「心疾患(高血圧性のものを除く)」161万2,000人、▽「悪性新生物」152万6,000人、▽「脳血管疾患」123万5,000人、となっている。 総患者数は、前回(2008年)調査に比べると、アルツハイマー病の増加が目立ち、患者数は36万6,000人(12.6万人増)と推計された。それ以外は、「高血圧性疾患」が110万人増、「高脂血症」が45万3,000人増、「糖尿病」が32万9,000人増、「悪性新生物」が8万人増となっている。「脳血管疾患」は10万4,000人減だった。 平成23年(2011)患者調査の概況(厚生労働省)[dm-rg.net / 日本医療・健康情報研究所]