世界最細の注射針「ナノパスニードルII」 直径0.18mm(34G) テルモ
2012.08.31
テルモは、世界で最も細いペン型注入器用ディスポーザブル注射針「ナノパスニードルII」を9月3日に発売すると発表した。極細ながらも薬剤の注入しやすさと耐久性を維持する設計技術や生産技術を駆使し、世界最細の直径0.18mm(34G)を実現した。注射時の痛みが少なく、頻繁に自己注射をしなければならない患者の負担を軽減できる。
注射針は根元(0.24mm)から先端部に向かって細くなるダブルテーパー構造になっており、薬剤の注入時に起きる痛みを低減。テーパーの角度を緩やかにすることで針にかかる力を分散し、必要な強度を確保した。針先は左右非対称の刃物構造で、針を突き刺すのではなく皮膚内に滑るように入るよう工夫されている。
注射時の痛みは皮膚表面1平方cm当たり100~200個存在する痛点に針先が当たることで起こる。ナノパス34はこれまで最細の33Gと比べ直径で10%細い。同社では「注射針の直径を小さくすると痛点に当たる確率を下げられる」としている。
同社によると、1日に数回、インスリンを注射する患者数は全国で約100万人と推定される。同社は2005年、現在の世界最細注射針(直径0.20ミリ)である「ナノパスニードル」を開発し、この市場に参入した。新製品は国内発売後の今秋中にイタリア、ドイツなど欧州にも投入し、シェア拡大を目指す。
希望小売価格は70本入りで2100円(税抜)。
テルモ
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]