アルマールとアマリールの取り違え事故 販売名変更へ

2012.01.11
 大日本住友製薬は、高血圧等治療薬「アルマール」と名称が類似するサノフィ・アベンティスの経口血糖降下薬「アマリール」との取り違え事故事例の報告が続いているのを受け、医薬品の適正使用に関する注意喚起を公表した。

 「アルマール(一般名:アロチノロール塩酸塩)」は1985年、「アマリール(一般名:グリメピリド)」は2000年からそれぞれ販売されているが、医療現場で両剤の取り違え事故が以前から問題となっている。取り違え防止のため医療関係者への情報提供や表示の変更などの対策を行ってきたが、依然として取り違え事例が報告されている。

 アルマールとアマリールについて、薬剤取り違えによる死亡を含む医療事故事例やヒヤリ・ハット事例が公表されている。大日本住友製薬によると、両剤の取り違え事例の件数は、日本医療機能評価機構への報告、文献などを合わせ計15件ある。

 これまでにアルマール、アマリールの取り違え事例として、「外来で新たに高血圧治療薬(アルマール)を処方するところを糖尿病治療薬(アマリール)を処方した。約2ヵ月後の再診日に内服によるめまい症状の訴えがあった」という事例、「血糖降下剤であるアマリール1mg錠が処方されていた患者に確認をしたところ、"震えの薬である"との回答があり、処方医に疑義照会しアマリール1mg錠とアルマール錠5の間違いであることが判明した」という事例が報告されている。

 同社は、名称類似に関連した医療事故防止対策の一環として「アルマール錠5/錠10」の販売名を変更するため申請を行った。事故防止のため販売名を変更する代替新規品目の薬価収載は、後発医薬品追補収載と同時期に行われており、次回追補収載品目の承認の期限である2月中旬までに承認されれば6月に収載される見通しだ。

No. 「アルマール」と「アマリール」 取り違えの内容
1医師による間違い。カルテにはアルマールと記載したが、処方時にアマリールと入力。
2入力画面、処方画面に「糖尿病薬」の注意喚起表示があったが確認不足。
3医師処方間違い。薬局で、患者との確認から疑義照会を行い発見。
4薬剤師の取り違え。確認を怠った、技術・手技が未熟だったことによる。
5医師処方間違い。薬局で、患者との確認から疑義照会を行い発見。
公益財団法人日本医療機能評価機構「医療事故/ヒヤリ・ハット報告事例検索」
「薬局ヒヤリ・ハット報告事例検索」システムより(2011年10月末時点)

アルマール®とアマリール®の販売名類似による取り違え防止について(大日本住友製薬)(医薬品医療機器総合機構)

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