2月10日を「フットケアの日」に制定 足病変の早期発見・治療を呼びかけ

2012.01.11
 日本フットケア学会(熊田佳孝理事長)、日本下肢救済・足病学会(大浦武彦理事長)、日本メドトロニックは、糖尿病や末梢動脈疾患(PAD)・閉塞性動脈硬化症(ASO)による足病変の予防・早期発見・早期治療の啓発を目的とし、2月10日を「フットケアの日」として制定したと発表した。

年間1万人が足切断

 末梢動脈疾患(PAD)/閉塞性動脈硬化症(ASO)は、足の動脈が狭くなったり、つまったりした結果、血液の流れが悪くなった状態を指す。足の冷感、しびれや色調の変化(蒼白)、間欠性跛行、安静時疼痛などの症状があり、重症化すると潰瘍や組織欠損が生じる。

 糖尿病神経障害、感染症、動脈硬化などが原因で起こる足病変や、動脈硬化に起因するPAD/ASOによる足病変は、足の潰瘍・壊死から重症化すると足切断に至る危険性がある。日頃のフットケアや足病変の早期発見・治療が重要であり、患者自らが足の状態をチェックし足の異変に気づき受診することも大切となる。

 足病変から足の切断に至った患者は、QOLやADLが著しく低下するだけではなく、足切断後の5年生存率は、透析患者で14%、透析を受けていない人で42%と、生命予後にも重大な悪影響を及ぼすとの報告がある。

 実際には診断・治療が遅れ、足の切断に至る人が後を絶たない。日本では、糖尿病患者の急増や高齢化社会にともない糖尿病やPAD/ASOによる足病変が増加しており、推計で60歳以上の約700万人が足病変を発症しており、年間1万人が重症化し足切断に至ると推定されている。

 そこで日本フットケア学会、日本下肢救済・足病学会、日本メドトロニックは、足病変の早期発見と、足切断からの救済を促そうと「フットケアの日」を制定した。日本フットケア学会の熊田佳孝理事長は「フットケアは糖尿病の患者・高齢者の方などのQOLを維持・向上させるために大変重要。フットケアの日の制定により、今後フットケアの正しい知識が広く普及していくことを願っている」とコメントを寄せている。

日本フットケア学会
日本下肢救済・足病学会
日本メドトロニック

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