血糖測定器の取扱い上の注意を喚起 【PMDA医療安全情報】
2011.11.18
厚生労働省は各都道府県衛生主管部長に向けて、血糖測定器等に係る添付文書の改訂について注意を喚起した。
血糖測定器(自己検査用グルコース測定器、自己検査用グルコースキット、血液検査用グルコースキット、グルコース分析装置)は、採血用の穿刺器具など使い、指先、耳朶などから採血した血液から、血糖値を測定できる医療機器や体外診断用医薬品をさす。
これまでに、果物をむいた後、手洗いをしなかった患者の指先から採血した場合、測定した血糖値が偽高値を示した事例や、末梢循環が不良な状態の患者の指先から採血を行った場合、静脈血や耳朶から採血した場合に比べ、血糖値が低値を示した事例が報告された。こうした事例では、誤った治療の実施や適切な治療の遅延が起こるおそれがあるという。
厚労省は、こうしたリスクを、患者や医療関係者に周知する必要があるとして、血糖測定器などの製造販売業者に対し、添付文書の使用上の注意を改訂するよう通知した。
医薬品医療機器情報配信サービス(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)
1. |
穿刺器具については、添付文書の【使用上の注意】の「重要な基本的注意」欄に以 下の通り記載すること。ただし、使用方法において耳朶等の指先以外の採血部位を指定している医療機器や【禁忌・禁止】欄で指先穿刺を禁止している医療機器を除く。
2) 果物等の糖分を含む食品などに触れた後、そのまま指先から採血すると指先に付着 した糖分が血液と混じり、血糖値が偽高値となるおそれがある。[アルコール綿によ る消毒のみでは糖分の除去が不十分との報告がある。] 3) 以下のような末梢血流が減少した患者の指先から採血した場合は、血糖値が偽低値 を示すことがある。 ・脱水状態 ・ショック状態 ・末梢循環障害 |
---|---|
2. |
自己検査用グルコース測定器については、添付文書の【使用上の注意】の「重要な 基本的注意」欄に以下の通り記載すること。
2) 果物等の糖分を含む食品などに触れた後、そのまま指先から採血すると指先に付着 した糖分が血液と混じり、血糖値が偽高値となるおそれがある。[アルコール綿によ る消毒のみでは糖分の除去が不十分との報告がある。] 3) 以下のような末梢血流が減少した患者の指先から採血した場合は、血糖値が偽低値 を示すことがあるため、静脈血等他の部位から採血した血液を用いて測定すること。 ・脱水状態 ・ショック状態 ・末梢循環障害 |
3. |
自己検査用グルコースキット及び血液検査用グルコースキットについては、添付文書の【重要な基本的注意】欄に以下の通り記載すること。ただし、血液検査用グルコースキットのうち、使用目的において静脈血に由来する血清又は血漿を用いて血糖値を測定する体外診断用医薬品を除く。
2) 果物等の糖分を含む食品などに触れた後、そのまま指先から採血すると指先に付着 した糖分が血液と混じり、血糖値が偽高値となるおそれがある。[アルコール綿によ る消毒のみでは糖分の除去が不十分との報告がある。] 3) 以下のような末梢血流が減少した患者の指先から採血した場合は、血糖値が偽低値 を示すことがあるため、静脈血等他の部位から採血した血液を用いて測定すること。 ・脱水状態 ・ショック状態 ・末梢循環障害 |
4. |
グルコース分析装置のうち、指先からの微量採血により測定可能な医療機器にあっては、添付文書の【使用上の注意】の「重要な基本的注意」欄に以下の通り記載すること。
2) 果物等の糖分を含む食品などに触れた後、そのまま指先から採血すると指先に付着 した糖分が血液と混じり、血糖値が偽高値となるおそれがある。[アルコール綿によ る消毒のみでは糖分の除去が不十分との報告がある。] 3) 以下のような末梢血流が減少した患者の指先から採血した場合は、血糖値が偽低値 を示すことがあるため、静脈血等他の部位から採血した血液を用いて測定すること。 ・脱水状態 ・ショック状態 ・末梢循環障害 |
5. | 上記1から4に従い改訂した血糖測定器等の添付文書を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、「総合機構」という。)の「医薬品医療機器情報提供ホームページ」上に掲載すること。 |
6. | 上記1から5の対応及び添付文書の改訂内容の医療機関等への情報提供状況につい て、平成23年12月17日(通知発出の1か月後)までに、総合機構安全第一部医療機器安全課あてに報告すること。 |
7. | 承認申請中の血糖測定器等については、当該申請者は、添付文書(案)について同様の修正を行う旨を総合機構に申し出ること。また、認証申請中のものについても、当該申請者は、添付文書(案)について同様の修正を行う旨、申請先の登録認証機関に申し出ること。 |
8. | 治験を実施中の血糖測定器等については、治験依頼者は、必要に応じて治験実施医療機関に対して速やかに情報提供を行い、注意喚起すること。 |
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]