「指先HbA1c検査」の薬局店頭実施 13%が糖尿病 16%が予備群

2011.10.12
 糖尿病診断アクセス革命事務局(代表:矢作直也・筑波大学大学院内分泌代謝・糖尿病内科准教授)は、2010年10月より東京都足立区内の9ヵ所の薬局・ドラッグストア店頭で指先HbA1c測定による糖尿病スクリーニングを実施するというプロジェクトを続けてきた。プロジェクト開始後1年で、検査を受けた人は500人を超えたと発表した。

 「糖尿病診断アクセス革命」は、指先微量採血によるHbA1c測定を身近な薬局で受けられるプロジェクト。血液検査へのハードルを下げ、未発見・未治療の糖尿病の患者や糖尿病予備群に、広く検査の機会を提供することをめざしている。筑波大学・東京大学と足立区薬剤師会・医師会・NPO法人ADMSの共同研究プロジェクトとして、足立区内の9薬局で開始された。

 HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、血糖コントロールの善し悪しを表す指標。赤血球中のヘモグロビンのうち、ブドウ糖と結合しているヘモグロビンの占める割合を百分率であらわしている。検査の時点から過去1~2ヵ月間の血糖状態を反映し、国内の現在の基準値(JDS値)は5.8%未満。

 2010年10月から1年間に、HbA1c検査を受けた人は538名(糖尿病治療中の人は対象外)に上った。このうち、糖尿病が強く疑われた人(HbA1c:6.1%以上)は約13%、糖尿病予備群と疑われた人(HbA1c:5.6%~6.0%)は約16%。3割近くの人が医療機関での検査が必要と判定された。該当する人には、糖尿病またはその予備群の疑いで受診を勧奨した。

 男性では約3人に1人、女性では約2人に1人が定期的な健康診断を受けていなかった。特定健診(メタボ健診)の対象年齢外である40歳未満の男性でも、約9%に糖尿病の疑い(HbA1c:6.1以上)があり、より早期に糖尿病のスクリーニングの機会を提供する必要性が示された。

糖尿病診断アクセス革命

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