腎機能の程度にかかわらず用量調整が不要のDPP-4阻害薬「トラゼンタ錠 5mg」 

2011.07.04
 日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリーは7月1日、選択的経口DPP-4阻害薬「トラゼンタ錠 5mg」(一般名:リナグリプチン)の製造販売承認を取得したと発表した。

 トラゼンタは、ベーリンガーインゲルハイムが創薬・開発した選択的経口DPP-4阻害薬。DPP-4を選択的に阻害することで、インクレチンホルモンであるGLP-1の血中濃度を高め、血糖低下作用を発揮する。GLP-1は血糖依存的に分泌されるので、DPP-4阻害剤は低血糖のリスクの発現が低い。

 同剤は主な排泄経路が腎臓でなく、糞中に未変化体のまま排泄される世界初の胆汁排泄型選択的DPP-4阻害剤であることが特長。日本ベーリンガーインゲルハイムでは「トラゼンタは長期にわたるHbA1c低下作用を有しているだけでなく、1日1回投与で、腎機能の程度にかかわらず用量調整を必要としない」としている。

 腎機能低下のリスクが高い、あるいはすでに腎機能障害を合併している糖尿病患者は少なくない。腎機能が低下している患者は、慢性腎不全への進行や、心血管病発症のリスクが高いため、その進行を止めることが重要となる。また、腎機能が低下している2型糖尿病患者では、低血糖リスクが高まることが知られている。そのため腎機能に配慮した治療法が求められている。

 米国では2011年5月に承認された。日本では、日本ベーリンガーインゲルハイムが製造・販売を行い、同社と日本イーライリリーが共同販促する。

販売名:トラゼンタ錠5mg
一般名:リナグリプチン
効能・効果:2型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る)
用法・用量:通常、成人にはリナグリプチンとして5mgを1日1回経口投与する。
安全性:国内で実施された臨床試験では、694例中76例(11.0%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた。主な副作用は便秘14件(2.0%)、鼓腸11件(1.6%)、腹部膨満7件(1.0%)等。(承認時までの集計)

日本ベーリンガーインゲルハイム
日本イーライリリー

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