アクトス「膀胱がん患者への投与を制限」使用上の注意改訂 厚生労働省

2011.06.24
 厚生労働省安全対策調査会は23日、チアゾリジン薬「アクトス」(一般名:ピオグリタゾン)について、使用上の注意の改訂を指示した。

主な改定内容

  • ・ 膀胱癌治療中の患者等には使用を控える
  • ・ 膀胱癌のリスクについて患者への説明を行う
  • ・ 血尿等の兆候について定期的に検査する

 このほか、同省は、リスクに関する説明用資材を製造販売業者から提供する等の対応を行った上で、引き続き米国で継続実施中の前向き疫学調査の結果や欧米当局の評価を含め情報収集を行っていく。今後は、必要に応じて追加の対策を検討するとのこと。
 >> ピオグリタゾン塩酸塩含有製剤に係る安全対策について 厚生労働省(6月23日)

 同剤の使用については9日、フランス・ドイツにおいて、フランスの疫学研究(CNAMTS 試験)の結果を受け、膀胱がん患者に対する新規処方をしないよう通達。同時に、現在服用している患者は、自己判断で服用を中止せず、主治医に相談するよう促している。
 >> フランスでの疫学調査についての詳細はこちら

 また、米国食品医薬品局(FDA)は15日に声明を発表。米国で行われた疫学研究(KPNC 試験)の中間解析(2010 年)の結果から、 現在治療中の膀胱癌患者には、ピオグリタゾンを使用しないことなどの注意を促し、医療関係者向け・患者さん向け添付文書の該当箇所を随時改訂していく。今後はKPNC疫学研究の評価を継続し、フランスで行われたCHAMTS試験の評価も含めた上で、さらなる情報が得られれば医療関係者や患者さんに対して追加の情報提供を行うとしている。
 >> FDA Drug Safety Communication: Update to ongoing safety review of Actos (pioglitazone) and increased risk of bladder cancer(2011年6月15日)

関連情報
アクトスのフランスでの使用制限 PMDAは「患者判断で服用中止さけるべき」(2011年6月13日)

カテゴリー:チアゾリジン薬

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