次世代の超持効型溶解インスリンアナログ「インスリン デグルデク」 国内外の第2相試験結果を発表

2011.06.08
 ノボ ノルディスク ファーマは、ノボ ノルディスクが開発中の超持効型溶解インスリンアナログ「インスリン デグルデク」、および「インスリン デグルデク」と超速効型インスリンアナログ「インスリン アスパルト」との配合製剤である「インスリン デグルデク/インスリン アスパルト」の国内外の第2相臨床試験の結果を発表した。

 海外試験では、インスリン治療を行っている1型糖尿病患者118例を「インスリン デグルデク」群、「インスリン グラルギン」群に1:1の割合で無作為割り付けし、1日1回夕食時に16週間投与した。国内においては、ベーサルボーラス療法を行っている1型糖尿病患者65例を「インスリン デグルデク」群、「インスリン デテミル」群に無作為割り付けし、1日1回就寝前に6週間投与した。

 「インスリン デグルデク」は平坦で安定した薬力学的作用と薬物動態を示し、作用は投与後24時間以上持続する。皮下でマルチヘキサマー(多数の六量体からなる集合体)を形成し、そこから持続的かつ緩徐に血中に吸収され、長時間にわたり平坦かつ安定した作用を示す。

 試験結果では、デグルデクを1型糖尿病におけるベーサルボーラス療法のベーサルインスリンとして使用した場合、夜間低血糖の発現頻度が低く、対照薬と同様の血糖コントロールが得られることが示された。

 デグルデクはアスパルトとの配合が可能であり、「インスリン デグルデク/インスリン アスパルト」では基礎分泌を補う超持効型画分と、追加分泌を補う超速効型画分が明確に区別されており、低血糖の発現頻度が低下することが期待される。

 「インスリン デグルデク/インスリン アスパルト」はデグルデクを70%、アスパルトを30%配合した製剤で、2型糖尿病患者への1日1回または2回投与で良好な血糖コントロールが得られ、低血糖の発現は少ないという結果が得られた。

 試験結果は、5月に札幌で開催された第54回日本糖尿病学会年次学術集会で、東京女子医科大学の岩本安彦氏が発表した。岩本氏は「糖尿病患者さんがインスリン治療を行ううえで、最も心配されるのは低血糖。その発現頻度を高めることなく、良好な血糖コントロールを可能にすることが治療における目標であり、今回報告されたインスリン デグルデクの薬理学的作用プロファイルは、既存インスリン治療による低血糖の課題を改善することが期待できる」と述べている。

ノボ ノルディスク ファーマ

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