厚労省 患者向けイエローレター(緊急安全性情報)の新設へ

2011.04.13
 医薬品や医療機器などの安全性について、企業が自社製品を扱う医療機関に緊急に出す「緊急安全性情報」(イエローレター)について、厚生労働省は、医薬関係者向けだけでなく、原則として患者向け情報もあわせて作成するよう指示する方針を決めた。

 イエローレターは、厚労省の指示のもとで製薬会社などが医療機関や薬局向けに医薬品や医療機器の取り扱いについて注意喚起を促す文書。指針案では、製薬会社に対して患者向けにもイエローレターを作成し、報道発表に活用することを求めている。

 イエローレターの提供に関する指針案の主な内容は次の通り――

1 厚労省医薬食品局安全対策課は、イエローレターの作成および配布について、企業に対し命令、指示を行う場合は、その理由などを記した書面により通知する。
2 企業は、厚労省および医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議し、イエローレターを作成する。
3 企業と厚労省は、患者への周知のため、配布開始後、速やかに報道発表を行う。また、患者が直接の対応を行う必要がある事案においては、新聞の社告などの媒体への情報の掲載を考慮する。
4 企業は、医薬関係者向けだけでなく、患者向けのイエローレターを報道発表にも活用する。
5 PMDAは、イエローレターおよび添付文書の改訂内容を、イエローレターの配布開始後、速やかにホームページに掲載し、医薬品医療機器情報配信サービス「PMDAメディナビ」で速やかに配信する。また、企業は同様の情報を速やかに自社ホームページなどに掲載する。
6 企業は直接配布を原則とするが、7の配布計画に従い、医療機関、薬局などに対し、イエローレターおよび改訂添付文書などについて、直接配布にダイレクトメール、ファックス、電子メールなどを活用し情報を提供する。また、医療機関の適切な部署や薬局などに1ヵ月以内に情報が到着していることを確認する。
7 企業は、PMDA安全部門とイエローレターの配布計画について事前に協議し、計画書を提出する。医療機関、薬局などへの訪問による配布については、配布計画に従い実施し、その結果をPMDA安全部門に提出する。
8 企業は、医学、薬学などの関係団体に対して情報伝達を行い、関係団体のホームページへの掲載などの効果的な広報手段での周知を依頼する。また、該当製品を使用する患者団体が分かっている場合には情報伝達を行うことも考慮する。
9 企業は、厚労省からの命令、指示、社内各部門での連絡などに関する文書、訪問記録、配布記録を、安全性情報に関する記録を利用しなくなった日から5年間保存する。(ただし、生物由来製品:10年、特定生物由来製品:30年、特定保守管理医療機器および設置管理医療機器:15年)

 指針案ではこのほか、イエローレターに次ぐ注意喚起の「安全性速報」(ブルーレター)の作成基準も定めた。医薬関係者向けブルーレターは、企業の自主的な決定であっても厚労省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)と協議し作成するものとし、また、必要に応じ患者向け情報もあわせて作成することを求めている。

 厚労省では、イエローレターの作成基準や配布方法などを定めた指針案をホームページに掲載し4月29日までハブリックコメントを募集している。今年10月から指針を適用する予定だ。

「緊急安全性情報等の提供に関する指針について(案)」に関する意見募集の実施について

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