インクレチンの適正使用に関する委員会 エキセナチドの適正使用を喚起
2010.12.20
「インクレチン(GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬)の適正使用に関する委員会」(旧「インクレチンとSU薬の適正使用に関する委員会」)は12月17日、GLP-1受容体作動薬「バイエッタ」(一般名:エキセナチド)が同日発売されたことを受け、同剤について「インスリンの代替とはならないため、インスリン治療中の患者では、患者がインスリン依存状態にあるか、非依存状態にあるかについて評価を行ったうえで本剤使用の可否を判断する(インスリン依存状態にある患者では本剤への切り替えは行われるべきではない)。なおインスリン依存状態にあるか、非依存状態の鑑別はリラグルチドと同様である」とする追記情報を発表した。
エキセナチドは1回5μg、1日2回から開始し、1ヵ月以上経過観察を行ったうえで1回10μgへ増量できることになっている。委員会では、同剤の増量について「投与開始2週間後に受診し、専門医が低血糖等について十分に確認したうえで、エキセナチドを増量すべき」とし、「導入時には可能な限り血糖自己測定が推奨される」とした。
同委員会は、昨年12月にDPP-4阻害薬「ジャヌビア」「グラクティブ」(一般名:シタグリプチン)の発売後、SU薬にシタグリプチンを追加投与した後に重篤な低血糖による意識障害を起こす症例報告が多く報告されたの受け発足された。
今年6月に発売された「ビクトーザ」(一般名:リラグルチド)はGLP-1受容体作動薬であり、DPP-4阻害薬とは異なる薬剤であるが、「作用機序からより強力と考えられ、SU薬併用時にはより慎重な取り扱いが必要」と適正使用を喚起している。
「インクレチン(GLP-1受容体作動薬とDPP4阻害薬)の適正使用に関する委員会」から((社)日本糖尿病学会、2010年12月17日)
[Terahata / 日本医療・健康情報研究所]